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子宮頸がんを防ぐために
どのような人が子宮頸がんになりやすいのか?子宮頸がんは女性であれば誰でもかかる可能性のある病気です。年間約10000人の方が子宮頸がんにかかると言われていますが、最近では特に若い女性(20代から...
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子宮頸がんを防ぐために

公開日 2015 年 03 月 08 日 | 更新日 2017 年 05 月 07 日

子宮頸がんを防ぐために
堤 治 先生

山王病院(東京都) 病院長

堤 治 先生

どのような人が子宮頸がんになりやすいのか?

子宮頸がんは女性であれば誰でもかかる可能性のある病気です。年間約10000人の方が子宮頸がんにかかると言われていますが、最近では特に若い女性(20代から30代)で患者さんが増えてきています。

特に以下のような方が子宮頸がんになりやすいと言われています。

  • 若年齢で性交渉を開始した人
  • 性交渉相手数の多い人
  • 妊娠経験(出産回数が多い人)
  • ピルを長期服用している人
  • 喫煙者
  • クラミジアなどの性感染症既往歴のある人

早期に発見することが重要

子宮頸がんは子宮の入り口部分に発生するので、普通の婦人科診察や検査で発見されやすいがんと言えます。早期に発見すれば、比較的治療がしやすい予後のよいがんです。子宮を温存し治療後の妊娠も可能です。一方で進行すると治療が難しくなることから、早期の発見、早期の治療が重要ながんと言えます。さらに今後はワクチンの普及により発病を予防することも可能になります。

ワクチン接種と検診が予防のポイント

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が引き金になって発生する病気です。従って子宮頸がん予防ワクチンを接種し、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐことが、子宮頸がんの予防につながります。

また、子宮頸がん検診を定期的に受診することで、前がん状態の異型上皮で発見すればがんになる前に処置することができます。あるいは早期のがんであれば、早期治療で子宮を温存することも可能です。

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がん予防ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐワクチンで、海外では100か国以上で使用されています。日本では2009年に承認され、一般の医療機関で接種することができるようになりました。1〜2回の接種では十分な抗体ができないため、半年間で3回のワクチン接種が必要です。ワクチン接種の効果は20年以上にわたり持続すると言われています。

サーバリックス®とガーダシル®

ヒトパピローマウイルス(HPV)には様々なタイプがあります。2009年に日本で市販が開始されたサーバリックス®は発がんの可能性の高いHPV16型と18型の感染を防ぐワクチンです。十分な抗体をつくるためには半年の間に3回の接種が必要で、通常1回目の投与後、1ヵ月と6ヵ月目に筋肉注射します。サーバリックス®の場合HPV16型と18型以外のHPVには有効ではありません。投与を受けた女性も、頸がんの検診は受診してもらう必要があります。2011年には、16型と18型以外に尖圭コンジローマの原因とされるHPV6型と11型の予防にも効果があるガーダシル®も承認され選択肢が広がりました。ガーダシル®には尖圭コンジローマという疾患を防ぐ利点もあります。

社会問題となった接種後の副作用

現在社会問題となっているのは子宮頸がん予防ワクチン接種後の副作用です。報告としては複合性局所疼痛症候群(CRPS)などの慢性の痛みを伴う事例や、関節痛が現れた事例などがあります。これに関しては慎重な検討が行われており、接種勧奨は控えられたものの、子宮頸がんの予防に一定の効果があるため、定期接種の実施は中止されていません。

子宮頸がん検診

子宮頸がん予防ワクチンを打ったからといって、子宮頸がんを100%予防できるわけではありません。ワクチンを打ってからも定期的に検診を受けることで、異型上皮といってがんになる前の状態、がんになってしまった場合でも早期の段階で発見することが重要です。検診は全国の婦人科クリニックで可能で、医師による問診、内診、細胞診(子宮頸部の粘膜を採取)で5〜10分あれば完了します。25歳以上の女性は年に1度の頻度で子宮頸がん検診を受けることが望ましいです。

東京大学産婦人科教授を経て、2008年4月から山王病院院長に就任。東宮職御用掛として、雅子妃殿下のご出産を担当した。子宮内膜症や子宮筋腫をはじめとするエストロゲン依存性疾患に加え、腹腔鏡手術においても日本の第一人者である。

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