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インタビュー

子宮頸がんとは。若い女性にも頻発する疾患

子宮頸がんとは。若い女性にも頻発する疾患
辻岡 寛 先生

飯塚病院 産婦人科 管理部長

辻岡 寛 先生

婦人科腫瘍の中でもっとも多いのが子宮にできるがん。子宮がんには、子宮頸がん子宮体がんの二種類がありますが、同じ子宮にできるがんでもその病態は全く異なっています。若い女性から高齢の女性まで幅広く発症する子宮頸がんと、閉経期以降のやや高齢の方に多い子宮体がんと、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、子宮頸がんの特徴について飯塚病院産婦人科部長の辻岡寛先生にお話しを伺いました。

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頚部に発症するがんのことで、ヒトパピローマ(HPV)というウイルスが原因で起こることがわかっています。

 

 

 

性交渉の経験のある方なら誰もがかかる可能性があり、またその機会が多い方に起こりやすいとされています。発症するリスクとしては、以下のようなものがあります。

  1. 妊娠回数が多い方
  2. 多産の方
  3. 経口避妊薬(ピル)を服用している方
  4. 性交渉のパートナー数の多い方

子宮頸がんの特徴としては、20~30歳代の若い女性にも多いということが挙げられます。このように若い年代でかかるがんというのは他の固形がん(血液がん以外のがん)ではあまりないことです。

患者数が多い乳がんの場合は30~40代から罹患者数が増えてきますが、20代で比較する際、上皮内がん(深いところまで浸潤していないがん)というレベルまで含めると子宮頸がんのほうが罹患者数は多くなります。そのため子宮頸がんに関しては、検診での早期発見が非常に重要になるのです。

子宮頸がんの発生原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)には複数の型があり、その数は100種類以上あることがわかっています。そのなかで実際にがんになるリスクのあるものは13~15種類、さらにリスクの高いハイリスクタイプのものが7~8種類ほどあります。

ハイリスクタイプのHPVは性交渉経験のある女性(男性)なら誰もが感染している可能性があり、生涯に一般女性が感染する確率は60%ほどであるといわれています。しかしHPVは感染したとしても全てががんへと移行することはないといえます。ほとんどの場合が一時的なもので、ウイルスは体内から自然に消失し病気を発生させることはありません。ただ、そのなかの約10%が持続感染を起こし、そのケースが前がん病変(がんの前段階)へと変化し、さらにその10~30%ががんへと移行するといわれています。

子宮頸がんを発生させるハイリスクタイプの約70%を占めているのが16型と18型というウイルスです。これらのウイルスに対してはワクチンが出ており、感染する前にワクチンを接種することでほぼ100%の予防効果があることが証明されています。しかし、現在は副作用問題で接種が厳しい状況が続いています。それでも非常に有効な予防法なので、早い段階での再開が待たれます。

子宮頸がんは、がんになる前の「異形成」という前がん状態でがんを発見できる唯一のがんです。異形成は、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成と3つの段階を経て上皮内がんへと進んでいきます。高度異形成や上皮内がんと診断される場合、もしくは中等度異形成でもハイリスクHPVが検出される場合には治療が必要になります。

子宮頸がんに対して最も一般的に行われる治療法は手術ですが、術式についてはがんの進行度や妊娠・出産の希望があるかどうかなど、患者さんの状況に応じて選択します。例えば、異形成や上皮内がんを含めたごく初期のがんの段階で妊娠・出産を希望する場合には子宮を残す治療法である円錐切除術やレーザー蒸散術などを行います。

円錐切除術とは、子宮の入り口を円錐状にくり抜く手術です。子宮を残すことはできますが、この手術では将来妊娠やお産といったときに子宮口がゆるんで流産したり、分娩時に子宮口が開かず帝王切開になったりといったトラブルが起こることがあります。

そこでさらに子宮にやさしい治療法として行われているのが、レーザー蒸散術です。これは、子宮の入り口の上皮を5~7ミリほどレーザーで焼きつぶす治療法ですが、円錐切除と比較すると再発率が少し高くなります。そのため、飯塚病院では、妊娠する可能性のある方で、上皮内がんまでの病変にとどまっているケースに関しては、まずレーザー蒸散術による治療を行い、治療後はこまめに検診を受けてもらうということをお勧めしています。

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