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インタビュー

子宮頸がんと診断されたら―診断後の治療方針

子宮頸がんと診断されたら―診断後の治療方針
片瀬 功芳 先生

山王病院(東京都) 女性腫瘍センター・婦人科 センター長、国際医療福祉大学 教授

片瀬 功芳 先生

目次
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この記事の最終更新は2015年09月11日です。

子宮頸がんにはさまざまなケースがあり、子宮頸がんと診断された方は、自分がどのようなケースにあたるのかについて理解する必要があります。そこで行われるのが、組織診断と進行度の確認です。これについて、山王病院女性腫瘍センター・婦人科 センター長の片瀬功芳先生に引き続きお話をうかがいました。

子宮頸がんと診断されたということは、「浸潤がん」が存在するということです。

浸潤と転移
 

浸潤がんはこれまでに説明した子宮頸部異形成や上皮内がんと異なって、他臓器に転移する力を持っています。そのため、子宮頸がんの治療の要点は以下のふたつとなります。

  • 子宮から発生した原発病変のコントロール
  • 転移巣有無の評価とある場合にはそのコントロール

重要な点はふたつですが、具体的にどのような治療を行うかは患者さんによってかなり幅があります。そのため子宮頸がんと診断されたら、その内容や治療方法について主治医から納得のいくまで説明を受けてください。

たしかに、進行期による標準的な治療というものは存在します。しかし年齢や施設によって微妙な差異も存在します。あなたの病気について一番知っているのは主治医の先生です。主治医の情報よりも「あなたに合った」情報を他媒体から得られることは無いと思ってよいでしょう。

とはいえ、理解するのにあたってポイントとなる概念はあります。それが「組織診断と進行度」です。以下ではこれについて説明します。

子宮頸がんと診断されたときには必ず組織診断と進行度が告げられます。これはとても大切な情報です。

組織診断というのは「癌細胞の形」のことです。子宮頸がんの多くは扁平上皮癌という形をしています。もし「扁平上皮癌」と診断されたら、子宮頸がんのもっともよくあるタイプであると理解してください。巷にある子宮頸がんの知識の多くは扁平上皮癌であることを前提にしています。

一方で、腺癌やそのほかの組織診断がされた方はいわゆる「一般的な子宮頸がんの情報」とは差異があることを知っておく必要があります。一般論としては、同じ進行度であれば扁平上皮癌以外の子宮頸がんは扁平上皮癌よりも経過がよくないことが多いです。

次に進行度を確認します。進行度にはきちんと定義があります。

子宮頸がんの進行期分類

診断の説明時には、診断までにおこなったCTやMRI、 そして超音波検査などの結果について説明がなされるので、それをよく聞いたうえでどの進行期にあてはまるのか確認するとよいでしょう。その後に、治療方針についての説明がなされます。一般的な診断後の治療方針は下図の通りです。

診断後の治療方針

治療方針は上図の一般的な方針に加えて「年齢、合併症の有無、(若年の場合は)妊娠希望の有無」を確認した上で方針を決定します。

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