
「自治体から『子宮頸がん検診』の案内が送られてきたけれど見ていない」という方は、少なくないかもしれません。子宮頸がん検診は誰が受けたほうがいいのか、どのような検査なのか、よく分かっていない方もいます。今回は、子宮頸がん検診について分かりやすく解説します。特に、ここ数年検診を受けていないという女性は必見です。
20歳以上の女性は、2年に1回子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。なぜなら、子宮頸がんは20歳代後半~40歳代 以降の患者さんが多いからです1。子宮頸がん検診を定期的に受けることで、がんになる手前の前がん病変(異形成)の段階や、がんになっていたとしても進行する前の段階で見つけることができます。
子宮頸がんの前がん病変や、がんの初期の段階では、自覚症状はほとんどありません。がん検診を受けておらず進行した状態でがんが見つかると、若くして子宮を失うことになってしまったり、命までも失ったりすることになりかねません。
子宮頸がん検診では、生理周期や生理痛の有無などを確認する問診から始まり、以下の流れで診察が行われます。
特に異常がない場合、診察は全部で1~2分ほどで終わります。
痛みがなく検査を受けるコツは、とにかく身体の力を抜くことです。足の力を抜き、膝をしっかり開き、深呼吸すると、力を抜きやすくなります。内診台での診察がはじめての場合は、その旨を医師や看護師に伝えるようにしましょう。丁寧に内診台の乗り方を教えてもらえるほか、緊張もほぐれると思います。また、検査の影響で検査後に性器出血があることがあります。少量で数日以内に治まれば心配ありません。
子宮頸がん検診で正確な検査結果を得るためには、出血していないときの検査が推奨されます。自覚症状がなく、いわゆる『がん検診』として子宮頸がん検診を受けに行く場合は、生理中でないときに受診できる日程で予約を取りましょう。
生理周期が少しずれてしまった場合は、生理の終わりかけなど少し出血がある程度でしたら検査できることが多いので、事前に医師や看護師に相談してみましょう。なお、がん検診とは関係なく、不正出血の持続や生理の量が非常に多い、生理が止まらないなどの症状がある場合は、出血中であっても産婦人科を受診してください。
子宮頸がんのほとんどは、HPVの感染が原因です。HPVは主に性交渉で感染するウイルスであるため、性交渉の経験がない場合は子宮頸がんになる可能性はかなり低いといえます。ただし子宮や卵巣に関わる病気は子宮頸がん以外にもあるため、気になる症状があれば性交渉の経験にかかわらず、産婦人科受診をおすすめします。
性交渉の経験がない場合は、内診の痛みを感じやすいことがありますが、診察の器具や方法など工夫できるので、問診の際に性交渉の経験がないことを伝えるようにしましょう。妊娠中も子宮頸がん検診を受けることができますが、妊婦健診で初期に子宮頸部細胞診(子宮頸がん検診と同じ検査)を皆さん受けますので、妊婦健診担当の先生に別途子宮頸がん検診を受ける必要があるか相談しましょう。
HPVワクチン(4価)を16歳までに接種することで、子宮頸がんを88%予防できることが分かっています2。非常に有効なワクチンですが、100%予防できるわけではありませんので、HPVワクチンを接種した人も、子宮頸がん検診を受けましょう。
子宮頸がん検診はあくまで早期発見が目的であり、前がん病変を含めて病気になることそのものを予防することができるのはHPVワクチンだけです。HPVワクチンも子宮頸がん検診も両方大事なのです。
子宮頸がんの初期や前がん病変は自覚症状がほとんどありません。また、過去に受けた子宮頸がん検診が問題なければ大丈夫というわけではありません。病気を早期に発見することができれば子宮を残して治療できる可能性が高く、定期的に検診を受けることが大切です。なるべく16歳までのHPVワクチンの接種に加えて、20歳すぎたら子宮頸がん検診を定期的に行うことで、子宮頸がんは予防できます。
参考文献
みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト 代表理事、Inaba Clinic 院長
稲葉 可奈子 先生の所属医療機関
周辺で子宮頸がんの実績がある医師
順天堂大学医学部附属練馬病院 産科・婦人科教授/診療科長
順天堂大学医学部附属練馬病院―“ワンチーム”で充実した医療を地域に届ける
練馬区の医療を支える順天堂大学医学部附属練馬病院によるを不整脈・子宮頸がん・大腸がん・前立腺がんテーマにした特集です。
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