子宮がんとは、女性特有の臓器である子宮に生じるがんのことです。子宮がんは子宮のどこにがんができるかによって大きく2つの種類があり、それによって原因、症状、治療方法も異なります。また時代の変遷とともに、それぞれのがんに罹患する方の比率が変化していることも分かってきています。
今回は子宮がんの種類とその比率について、国立病院機構大阪南医療センター産婦人科医長の金村昌徳先生にお話を伺いました。
子宮とは女性の内性器の1つで、筋肉でできた洋ナシ型の袋のような臓器です。子宮は妊娠時に胎児を守り発育する役目を持ちます。そのために受精卵を受け入れる準備として子宮内膜の増殖と剥離を繰り返す「月経」を起こすことも1つの特徴です。
子宮がんとは、上記のような女性特有の臓器である子宮に生じる悪性腫瘍(がん)です。子宮がんには大きく分けて2つの種類があり、それぞれにがんが発生する原因や症状、治療方法が異なります。
子宮がんには、がんのできる部位によって2つの種類があります。
<子宮がんの種類>
ここではそれぞれの子宮がんについてご説明します。
子宮体がんは胎児の育つ子宮の袋状になった部分の中にできたがんのことを指します。この部分は「子宮内膜」と呼ばれ、月経の元になる場所としても知られています。子宮体がんにできるがんのうち、およそ90%はエストロゲンという女性ホルモンに依存して発生・進行するといわれています。詳しくは記事2『子宮体がんとは?原因・症状・治療ー再発リスクはあるのか?』をご覧ください。
子宮頸がんは子宮の出入り口部分にできたがんのことを指します。子宮頸部は子宮の下部に位置し、腟とつながっています。子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染が原因であるということが明らかになっています。詳しくは記事4『子宮頸がんとは?原因・症状・治療について解説』をご覧ください。
子宮体がんと子宮頸がんの現在の比率はおよそ6対4です。現在子宮がんの罹患数は年間約25,200例です。このうち詳細が明らかになっているものだけでも、子宮体がん約13,600例、子宮頸がんは約10,900例といわれています。(『地域がん登録全国推計値2012年』より)
実は1970年頃まで、子宮体がんよりも子宮頸がんのほうが罹患数が多いことが知られていました。しかし近年は特にエストロゲンに依存したタイプの子宮体がんの罹患率が急激に上昇しているため、比率が徐々に逆転してきています。また、同じくエストロゲンに依存して発生・進行することが分かっている乳がんも時代の変化とともに罹患率が上昇しています。
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