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インタビュー

公開日 : 2016 年 07 月 11 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

頚椎症性神経根症の原因と治療-片腕のしびれや痛み、肩こりが現れる

杏林大学医学部付属病院 副院長/杏林大学医学部教授(整形外科学)
市村 正一先生

腕にしびれや痛みが現れる病気は非常に多岐に渡ります。このうち、首の骨を支えている椎間板が加齢により変形することで神経を刺激し、片側の腕や手、肩に症状が現れる疾患を「頚椎症性神経根症」といいます。頚椎症性神経根症の治療法や発症しやすい年齢、日常生活で避けたほうがよい動作や姿勢について、杏林大学医学部付属病院副院長の市村正一先生にお伺いしました。

頚椎症性神経根症を理解するために-首の骨「頚椎」の構造

頚椎症性神経根症のメカニズムを理解するためには、まず首の骨である「頚椎」の構造を知る必要があります。頚椎の中心部には脊髄が通っており、ここから計8本の神経根が上肢(腕)に向けて伸びています。

脊髄の通る管は脊柱管、神経根の通る管は椎間孔(ついかんこう)と呼ばれます。

頚椎症性神経根症の原因-加齢により椎間板が傷み変性する

頚椎断面図

頚椎は7個の骨が積み重って形成されており、それぞれの間にはクッションの役割を果たす「椎間板」が存在します。しかし、この椎間板は「加齢」に伴い傷み、弾力性を失って後方へと飛び出すように膨らんでいきます(膨隆)。

このように椎間板が加齢により変性した状態を、「頚椎症」と呼びます。

椎間板がクッション性を失うと、頚椎は正常な動きができなくなり不安定になるため(頸椎異常可動性)椎骨には異常なストレスがかかるようになります。これにより椎骨の周囲が棘のように突出する「骨棘(こつきょく)」が形成されます。骨棘が形成される理由は、異常なストレスを抑えようとする生体の反応によるものです。

本記事で扱う「頚椎症性神経根症」の症状は、変性した椎間板や突き出た骨棘が、椎間孔を狭めて神経根を圧迫することで起こります。

(※頚椎症により、神経根ではなく脊髄が圧迫される疾患を「頚椎症性脊髄症」(記事2)といいます。詳しくは記事2をご覧ください。)

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杏林大学医学部付属病院 副院長/杏林大学医学部教授(整形外科学)

市村 正一先生

杏林大学医学部付属病院にて副院長を務める。幅広い年齢の方が悩む腰椎・頚椎・胸椎椎間板ヘルニアや、社会の高齢化と共に増加する骨粗鬆症をはじめとする脊椎・脊髄疾患を専門とする。初診から治療後のフォローアップまでを一貫して行い、多くの患者や医療者から厚い信頼を得ている。 脊椎・脊髄疾患に関する一般向けのガイドブックや医療者向けのガイドラインの策定にも携わり、当分野のエキスパートとして名高い。

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