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インタビュー

公開日 : 2017 年 07 月 25 日
更新日 : 2017 年 11 月 24 日

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)とは? 貧血や血栓症を引き起こす希少疾患

発作性夜間ヘモグロビン尿症とは「PIGA」という遺伝子の変異によって、血液中の赤血球が壊される「溶血」や、免疫細胞が自身の造血幹細胞を攻撃してしまうことによって起こる「骨髄不全」を引き起こす希少疾患です。

今回は発作性夜間ヘモグロビン尿症の症状や原因、溶血が起こるメカニズムについて大阪大学大学院医学研究科 内科系臨床医学専攻 血液・腫瘍内科学の西村純一先生にお話を伺いました。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)とは?

ヘモグロビン

赤血球が血管内で壊される疾患

発作性夜間ヘモグロビン尿症とは、後天的に造血幹細胞*の遺伝子に異常が起きることで、血液中の赤血球が壊れる「溶血」が起こる疾患です。溶血が起こると赤血球中の血色素であるヘモグロビンが血球外に溶出してしまいます。

「発作性夜間ヘモグロビン尿症」という疾患名は、睡眠が溶血を誘発し尿中にヘモグロビンが溶け出すことで、寝起きに排泄する尿がコーラ色の「ヘモグロビン尿」になることから名付けられました。

発作性夜間ヘモグロビン尿症は最初からこの疾患に罹患する方もいれば、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群(MDS)を経て発作性夜間ヘモグロビン尿症に至る方もいます。

血管内溶血の様子
血管内溶血の様子 ご提供:西村純一先生

*造血幹細胞……脊髄に存在する細胞で、白血球、赤血球、血小板などの血液細胞を作り出す役割があります。

発作性夜間ヘモグロビン尿症の患者さんの特徴-発症年齢や男女比など

患者数は1000名ほどといわれている

発作性夜間ヘモグロビン尿症の患者数は1998年の調査では430名程度といわれていましたが、近年の調査では1000名ほどは存在すると推測されています。

しかしこの数字はあくまで推測であり、実は発作性夜間ヘモグロビン尿症は厳密な患者数を把握しづらい側面があります。なぜなら最初は再生不良性貧血と診断されていた患者さんが夜間ヘモグロビン尿症に段階的に移り変わっていくこともあるため、診断の線引きが難しいからです。そのため1000名という数字は、現在臨床的に発作性夜間ヘモグロビン尿症の症状が見受けられる患者さんの推定数となります。

20〜80代の成人が罹患

発作性夜間ヘモグロビン尿症の患者さんのほとんどは成人で、特に20〜60歳代によく見受けられます。しかし近年は新薬の登場で患者さんの生命予後が向上したこともあり、70〜80歳代の患者さんも増えてきました。

また発作性夜間ヘモグロビン尿症は遺伝子の変異が原因となる疾患であるため、男女比に大きな差はなくどちらにも発症します。また遺伝子の異常による疾患ではあるものの、変異が後天的に起こるため遺伝することはありません。

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