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インタビュー

公開日 : 2017 年 11 月 10 日
更新日 : 2017 年 11 月 14 日

敗血症の診断と治療-早期介入を目指す取り組み

敗血症とは、感染症をきっかけに、さまざまな臓器の機能不全が現れる病態です。重症化を防ぐためには、早期治療が何よりも重要になるといいます。近年では、早期介入を可能にするスクリーニング法も登場しています。

広島大学の教授である志馬 伸朗先生は、敗血症の診療に長く携わっていらっしゃいます。今回は、志馬先生に、敗血症の診断と治療についてお話しいただきました。

敗血症の原因や症状に関しては、記事1『敗血症とは? 敗血症の原因や症状』をご覧ください。

敗血症のスクリーニング法

早期の介入を可能にするqSOFA

敗血症は、重症化を防ぐために早期の治療介入が非常に重要になります。このように、早期の治療を可能にするためには、早期診断が必要です。

2016年に定められた、敗血症の新たな診療ガイドラインではquick Sequential Organ Failure Assessment(qSOFA)と呼ばれるスクリーニング法が導入されました。

このqSOFAは、以下のように、意識、呼吸、循環の3項目から成り立っています。

qSOFA基準

  • 意識変容
  • 呼吸数≧22回/分
  • 収縮期血圧≦100mm Hg

各項目を1点とし、2点以上である場合に敗血症の可能性があると定められています。

敗血症の早期の介入治療

3時間以内の介入が重要

お話ししたようなスクリーニング法によって敗血症の可能性を評価したら、早期に診断をすすめ、治療介入を行うことが重要になります。それは、敗血症の処置開始が一時間遅れる度に、救命率が低下するといわれているからです。

敗血症の診療ガイドラインでは、3時間以内に行うべき介入として3時間バンドルが定められています。治療の根本は、十分な輸液と、感染症に対する治療としての抗菌薬の投与です。なお、3時間にこだわることなく、できるだけ迅速に治療を開始することがより重要です。

3時間バンドル

  1. 血液培養
  2. 乳酸値測定
  3. 適切な経験的抗菌薬を投与
  4. 低血圧や高乳酸血症(>4mmol/L)に対し、30ml/kgの急速等張晶質輸液負荷

感染症の原因となる細菌やウイルスが何であるか、初期の介入の段階ではわかりません。そのため、初期の治療介入では、感染源を予測し効きそうな薬を医学的に判断し、あらかじめ投与することになります。

膿がある場合には外科的な治療も

また、3時間バンドルには入っていませんが、敗血症の患者さんのなかには、体内に膿ができているケースがあります。その場合には、薬だけでは治療が難しく、針を刺して膿を抜いたり、手術によって膿を取り除くこともあるでしょう。

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