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公開日 : 2017 年 11 月 28 日
更新日 : 2017 年 11 月 29 日

耳鼻科領域でも研究が進んでいる再生医療について

再生医療とは、失った組織や臓器を再生する医療であり、近年さまざまな医療分野で研究されています。それは耳鼻科領域も例外ではありません。内耳の細胞を再生させたり、細胞を培養し、シート状にしたものを中耳に移植するといった治療法も研究されています。

今回は、再生医療に必要な要素から、耳鼻科領域で行われている再生医療の研究について、東京慈恵会医科大学附属病院 耳鼻咽喉科診療部長の小島博己先生にお話しをうかがいました。

再生医療とは

再生医療とは、疾患や事故により失った組織や臓器といったものを再生させる治療法です。2017年現在注目を浴びている医療分野でもあり、研究は世界中で盛んに行われています。

再生医療に必要な3つの要素

三本の柱

再生医療には、細胞、足場、調節因子の3つの要素が必要になります。たとえば、手を擦りむいたとします。一次的に皮膚はダメージを受けますが、時間が経過すると自然と新しい皮膚が再生されます。

なぜ再生されるかというと、皮膚の細胞が体に残っており、その細胞が生着できる血液の通っている足場があるからです。そして、足場の血液のなかには、細胞の増殖や分化に関係するサイトカインといったさまざまな調節因子が存在しているのです。この3要素があるため、自動的に皮膚は再生されるのです。

そのため、この3つの要素を用意し、適切な環境を作ることが、組織や臓器を人工的に再生させるための条件です。

再生医療の要素の進歩

細胞や足場といった再生医療に必要な要素は、近年非常に進歩してきています。進歩の1は、さまざまな種類の細胞ソースが発見され、使用できるようになったことです。今までの細胞ソースは、もともと自分の体内にある細胞が細胞ソースとして使われていました。しかし、ES細胞*やiPS細胞*といった人の手によってつくられる細胞の研究が進み、このような細胞を細胞ソースとして分化させ、目的となる組織や臓器を再生することが可能となったのです。

また、細胞を生着させるための足場も、工学部を中心に改良が進んでいます。組織が再生すると共に、体内に吸収されるような素材で足場をつくるといったことがされています。

ES細胞…胚性幹細胞のことであり、人間の受精卵を利用してつくられる。どんな身体の組織や臓器にも分化することのできる細胞といわれている。

iPS細胞…人工多能性幹細胞のことであり、人間の皮膚細胞などを利用してつくられる。ES細胞と同様、どんな身体の組織や臓器にも分化することのできる細胞といわれている。

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