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ニュース

公開日 : 2017 年 12 月 06 日
更新日 : 2018 年 01 月 15 日

福島県立医科大学の挑戦―これからの福島県の医療

外科医一筋でいらしたという竹之下誠一先生は2017年4月より福島県立医科大学理事長兼学長に就任されました。福島県立医科大学ではがん医療や早期診断、新薬開発を福島の地で担っていくことを目標にふくしま国際医療科学センターの立ち上げを実現させ、さらなる飛躍が期待されます。2011年の東日本大震災を乗り越え、福島県における医療の発展に尽力される竹之下誠一先生に福島県立医科大学が現在行っていることならびに今後挑戦していくことについてお話しいただきました。

2011年東日本大震災—潜在的医療過疎地域+自然災害+原子力発電所事故

2011年、東日本大震災が発生しました。私たちは複合的な災害に遭遇し、多くの人々、家屋や施設が犠牲になりました。医療機関も例に漏れず、人口の少ない地域では医療体制の崩壊を免れることができませんでした。

福島県で高度急性期医療を担う福島県立医科大学では、地震や津波の影響による多発外傷・誤嚥性肺炎・低体温の傷病者の方々を県内各地から次々と受入れ、広域医療搬送拠点として活動しました。

搬送

しかし、震災から時を経ずして原子力発電所事故が発生します。このことにより、福島県では一時的に支援医療者が避難するという事態を経験しました。潜在的医療過疎地域に自然災害が襲い掛かり、発電所事故が重なることによって地域医療体制が崩壊し、被ばく医療体制も行き届かなくなってしまったのです。

この震災を受けて、福島県立医科大学では復興に向けた数々の取り組みを開始しました。特に力を入れている活動が、ふくしま国際医療科学センターのさまざまな活動です。

福島県の希望と未来を照らす「ふくしま国際医療科学センター」の役割

ふくしま国際医療科学センターは、「復興にかかわるすべての人との絆を大切にし、医療を通じて震災・原発事故からの福島の復興と光り輝く魅力的な新生福島の創造に貢献する」を理念に掲げた、県民の健康維持と最新医療の開発、地域復興・健康寿命の延長を目指す総合施設です。

【ふくしま国際医療科学センターの機能】

放射線医学県民健康管理センター

震災原発事故後の放射性物質の拡散や避難等を踏まえ、県民の被ばく線量の評価を行うとともに、県民の健康状態を把握し、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげ、将来にわたる県民の健康の維持、増進を図ることを目的にした組織です。

先端臨床研究センター

新たな放射線医学を使った創薬、臨床研究、治験等を担う国内最先端の研究開発拠点で、高度医療の提供を目指します。ワンストップで開発から治験・治療までを行うことができるのが特徴で、日本随一の施設ともいえます。福島の復興を、健康と医療の面から最大限支えていきたいと考えています。

健康増進センター

予防・健康増進のシンクタンク機能を担い、地域に根差した健康増進事業(健康対策や疾病予防、人材育成支援)を実施し、県民の健康寿命延伸、健康格差縮小の実現に貢献することを目的としています。

先端診療部門

先端医療技術・機器を活用し幅広い疾病の早期診断および早期治療を実現することを目的として、附属病院の機能を強化します。国内3番目の面積を持つ福島においては救急医療体制の充実は永遠の課題です。また、これまでに例のない未曽有の複合災害に手探りで対応してきた経験を活かし災害・被ばく医療の中核拠点となること、さらには子ども、女性医療の充実を図り、安心して産み、育てることが出来る福島を目指します。

医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター

本学震災復興プロジェクトの一つ「福島医薬品関連産業支援拠点化事業」を推進するために設立されました。ここでは医療界と産業界を円滑に橋渡しすることにより、がんを中心とした初疾患の新規治療薬、診断薬、検査試料などの開発を多面的に行います。

甲状腺・内分泌センター

これまで内分泌系疾患の診断・治療については、外科、内科、泌尿器科、脳外科とそれぞれの課で治療を行ってきましたが、科の枠を超えて一括して患者さんを治療する総合窓口となる役目を担っています。各診療科の専門家が集まることで、患者さんにとって一番適切な治療を総合的に判断、提供できるようになりました。

教育・人材育成部門

以上のような事業を発展させ、持続可能にするための次世代医療人の育成を担います。

特に、トランスレーショナルリサーチセンター(TRセンター)と先端臨床研究センターには日本国内でも最先端の設備を整えていることが特徴です。

先端臨床研究センター棟―早期診断と健康維持を図る

研究センター

先端臨床研究センターは、国内最先端の医療機器の整備、疾患早期診断の確立、新薬開発を行い、福島県によい医療を提供することを目的にして2016年に開設された施設です。小型・中型サイクロトロンやPET/MRIやPET/CT、附属病院に整備された9床のラジオアイソトープ病床(RI病床)を用いることにより、薬剤合成から非臨床試験、臨床研究、治験、診断、治療までをワンストップで実地できることが期待されています。これが、当センター最大の特徴であり強みです。

当センターが福島県の医療の拠点となり、新しい医療技術及び新薬を作り出してく体制を構築していきたいと考えています。

診断

PETやMRI、小型サイクロトロンや中型サイクロトロンなどの最先端の診断技術により、がんなどのさまざまな疾患の早期発見を実現し、福島県民のみなさまに中長期的な安全と安心を提供します。

診断・検査

治療

新病棟の4階にはRI内用療法に対応した病床を9床設置しました。

診断と治療、両方が実現できる当センターでは、健康と医療の面から福島の復興を目指します。