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手足口病の症状と対処、予防―手足や口に発疹が現れたら?
手足口病は、毎年夏に乳幼児を中心に流行し、発熱、咳、鼻水、嘔吐などの症状に加え、手、足、口に水疱性の発疹が出る感染症です。特効薬や特別な治療法はありませんが、基本的には軽い症状の病気のため、対症...
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手足口病の症状と対処、予防―手足や口に発疹が現れたら?

公開日 2017 年 12 月 07 日 | 更新日 2017 年 12 月 07 日

手足口病の症状と対処、予防―手足や口に発疹が現れたら?
相澤 悠太 先生

東京都立小児総合医療センター 小児科 医員

相澤 悠太 先生

堀越 裕歩 先生

東京都立小児総合医療センター からだの専門診療部(内科系) 感染症科 医長

堀越 裕歩 [監修]

手足口病は、毎年夏に乳幼児を中心に流行し、発熱、咳、鼻水、嘔吐などの症状に加え、手、足、口に水疱性の発疹が出る感染症です。

特効薬や特別な治療法はありませんが、基本的には軽い症状の病気のため、対症療法(症状に応じて対処する治療法)で様子をみます。

もし、子どもが手足口病にかかってしまった場合、どのような症状や対処法をすべきなのでしょうか。東京都立小児総合医療センターの相澤 悠太先生にお話を伺いました。

手足口病とは 

手や足に発疹が出た子どものイラスト

ウイルスにより、手足口の発疹や風邪症状が出る感染症

手足口病は、エンテロウイルスというウイルスが原因となる感染症です。主に5歳以下の乳幼児を中心に夏に流行し、風邪症状と手、足、口などに発疹が出ます。幼稚園・保育園などの集団生活の場や、家庭内でひろく感染するため、幼いお子さんのいるご家庭では気をつけたい病気のひとつです。

手足口病の感染経路

くしゃみや咳、水疱内容物、便などを介し感染

手足口病の感染経路は接触感染と飛沫感染が知られています。

接触感染

手や足にできた水疱の内容物や便に排泄されたウイルスが手などを介して感染します

飛沫感染

咳やくしゃみに含まれるウイルスによって感染します

手足口病の流行時期や好発年齢

5歳くらいの幼児たち

流行のピークは夏。5歳以下の発症率が高い

毎年5月頃より増加し始め、7月頃にかけてピークに達し、9~10月にかけて減っていきます。5歳以下の乳幼児に多く発症します。

手足口病の症状

手足口の発疹と、熱や咳などの風邪症状が発現

発熱、咳、鼻水、嘔吐や下痢などの風邪症状と、その名の通り、手・足・口に発疹が現れる点が特徴です。発疹は肘・膝・お尻にも出ることもあります。通常、症状は3日~1週間で回復します。

手足口病の治療

薬

基本的に自宅療養でOK。ときに入院が必要な場合も

手足口病は、ウイルスに劇的に効く治療薬がなく、症状を和らげるための対症療法が基本です。ですから、症状が重くなければ自宅療養で回復します。

しかし、口の中の発疹がひどく食事や水分補給がうまくできず、脱水がひどい場合は入院が必要となることがあります。髄膜炎(ずいまくえん)・急性脳炎などの合併症が心配される場合も入院を要します。

病院での治療

病院でも基本的に対症療法を行います。脱水が高度な場合には点滴で水分を補給し、高い熱でぐったりしていれば解熱剤を使用します。

子どもが手足口病にかかったら-家庭でできる対処法は?

寝ている子どもと見守る保護者

自宅で安静に過ごす

手足口病は、エンテロウイルスが原因の感染症です。ウイルスには抗生物質が効かず、特効薬がありません。基本的に症状の軽い病気のため、他の風邪をひいたときと同じように十分安静に過ごしましょう。

熱が高くぐったりする場合は、市販の解熱鎮痛剤を服用してもかまいません。

コップに入った水

水分補給をしっかりと-乳幼児は脱水に注意

手足口病によって口の中に発疹ができた場合、時に発疹は痛みを伴うため、食事や水分補給が困難になることがあります。子どもの場合、年齢が低いほど体内の水分量の割合が多く、脱水によるダメージは大きくなってしまうため、お子さんが水分補給をうまくできずにぐったりしている場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。

食器

手足口病にかかった時の食事の工夫

口の中にできた発疹が痛みを伴う場合、子どもは普段のように食事をとることが難しく、嫌がることがあります。その場合は無理に食べさせず、刺激が少なく柔らかい食事(おかゆ、うどん、雑炊など)にするなど工夫をし、水分補給をきちんとしてあげることが大切です。

手を洗う子ども

家庭内感染を防ぐために手洗いの徹底を

手足口病は症状が落ち着いたあとも2~4週間は便からウイルスが排出され続けます。そのため、子どもに排便後の手洗いを徹底させること・(乳幼児の場合であれば)おむつ等を適切に処理し、保護者の皆さんも手洗いを徹底することが大切です。

手足口病でひきおこる合併症

急性髄膜炎、急性脳炎のリスク

手足口病の症状がひどくなると、まれに合併症をひきおこすことがあります。

代表的なものとしては髄膜炎(ずいまくえん)や急性脳炎があげられ、高熱・頭痛・嘔吐や、急性脳炎ではけいれんや反応が乏しくなる意識障害という症状が現れます。ぐったりしている、お子さんの様子が普段と違う場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。

爪が見える指先

手足口病による爪の脱落    

手足口病にかかったあと、1~2か月後に爪がはがれる症状が、2009年以降報告されています。これはエンテロウイルスのうちの一つである、コクサッキーウイルスA6型にかかった場合にみられます。爪がはがれた後に新しい爪に入れ替わり、治ることが多いです。

家族の配慮が大切-生後3か月未満の乳幼児への感染を防ぐために

生後3か月未満の赤ちゃんが手足口病に感染すると重症化しやすく、髄膜炎(ずいまくえん)や心筋炎になってしまうことがあります。

赤ちゃんがいるご家庭では、兄弟間で上の子どもが手足口病に感染した場合や、幼稚園・保育園での手足口病の流行時には、接触する前の手洗いを心がけるなど、赤ちゃんへの感染を防ぐ配慮を心がけましょう。

手足口病が治ったら-いつから登園・登校できる?

笑顔の子ども

症状が落ち着いたら登園・登校再開が可能に

発熱や水疱が出る最初の数日は保育所や幼稚園、学校を休み、解熱し発疹も落ち着いてきたら登園・登校してかまいません。症状の軽快後に医師の診断が必要な病気ではありませんが、場合によっては登園・登校許可証が必要なこともあります。

また、症状が治まったあとも便からはエンテロウイルスが2~4週間は排出され続けるため、感染を拡げないように手洗いをきちんと行うことを心がけましょう。

手足口病の再感染の可能性

手足口病は繰り返しかかることもある

手足口病の原因となるエンテロウイルスにはたくさんの種類があります。一度手足口病にかかり、抗体が作られたとしても、次の流行時には違う種類のエンテロウイルスによって手足口病に再び感染する可能性があります。

一度かかったからもう大丈夫と考えず、手足口病は2回以上感染する可能性がある病気であるということを覚えておきましょう。再感染を防ぐ意味でも日頃からの手洗いが大切です。

手足口病の感染を防ぐためにできること

手を洗っている写真

手洗いで予防を!-年齢を問わず症状が出ないことも

手足口病に有効なワクチンが日本にはありません。また、病気の原因となるエンテロウイルスは、子どもから大人まで、年齢を問わず感染していても症状が出ないことがあります。そのため、感染していることに気づかなかった人の便から手を媒介し、他の人へ感染が拡がってしまいます。そのような感染を防ぐためには、有効な手段である「手洗い」をしっかりと行い、予防を徹底することが大切です。

また、感染を防ぐために以下の点にも注意しましょう

・おむつ等の排泄物は適切に処理し、処理後は手洗いを徹底する

・他の家族と箸やスプーン、食器、タオルなどを共有しない

正しい手の洗い方

お子さんに正しい手の洗い方を教えてあげると同時に、ぜひご家族みんなで実施するようにしてみてください。正しい手洗いは手足口病だけではなく、さまざまな感染症の予防策となります。

手足口病とヘルパンギーナの違い

熱の高さと発疹箇所の確認を

手足口病とヘルパンギーナは、どちらも子どもに「発熱」と「発疹」という症状をもたらしますが、手や足など体にも発疹が現れる手足口病と違い、ヘルパンギーナは口内にのみ発疹が発生します。また、40度近くの高熱が出るヘルパンギーナと違い、手足口病の発熱は全体の3分の1程度にとどまり、高熱がでることはあまりないのが特徴です。

ヘルパンギーナの詳しい症状や、対処法に関しては記事2『ヘルパンギーナの症状と対処、予防-口の中に発疹が現れたら?』をご覧ください。

ヘルパンギーナ・手足口病

 

 

ヘルパンギーナ・手足口病 (相澤 悠太 先生)の連載記事

世界標準の感染症診療の実践と同時に、臨床と基礎の懸け橋になることも心がけている。

小児患児に感染症が多いにも関わらず、それぞれの診療科が独自に感染症診療を行うという小児医療の現状を変えるべく、2008年トロント大学トロント小児病院感染症科に赴任。感染症症例が一挙に集約される世界屈指の現場において多くの臨床経験を積むとともに、感染症専門科による他診療科へのコンサルテーションシステム(診断・助言・指導を行う仕組み)を学ぶ。2010年帰国後、東京都立小児総合センターに小児感染症科設立。立ち上げ当初、年間200件~300件だったコンサルタント件数は現在1200件を超える。圧倒的臨床経験数を誇る小児感染症の専門家がコンサルタントを行うシステムは、より適正で質の高い小児診療を可能にしている。現在は後進育成にも力を注ぐ。

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