院長インタビュー

こころとからだの癒しを目指す東京衛生病院の取り組み

こころとからだの癒しを目指す東京衛生病院の取り組み
西野 俊宏 先生

西野 俊宏 先生

この記事の最終更新は2018年07月04日です。

1929年に東京都杉並区で開院した医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生病院は、地域に根差した医療の提供に努めています。同院は、キリストの教えを日々の診療のなかで実践するように心掛けています。それは、具体的にはどのようなことなのでしょうか。また、注力されている産婦人科診療について医療法人財団アドベンチスト会 理事長・東京衛生病院 病院長の西野俊宏先生にお話を伺いました。

東京衛生病院よりご提供

当院は、キリスト教会の一宗派であるセブンスデー・アドベンチスト教会が設立した病院です。開院以来、聖書の教えに基づいた精神で地域医療の提供に努めています。職員一人一人が当院の理念(こころとからだのいやしのためにキリストの心でひとりひとりに仕えます)を実践しようと心がけています。当院にはチャプレンと呼ばれる病院専属の牧師がおり、患者さんのケアはもちろん、キリストに倣った働きを職員一人一人ができるようにサポートしています。

当院では、毎朝礼拝が行われ、祈りをもって仕事に就いています。礼拝では皆で讃美歌を歌い、担当者が話をします。聖書の話や、同僚の話、入職のきっかけなど、話される内容はさまざまです。また、話の中には必ず聖書の言葉を選ぶなど、学びの時間となるようにしています。

東京衛生病院よりご提供

当院のチャプレンは、ご希望のあった入院患者さんの病室を訪れ、お祈りを捧げたり、患者さんのお話を伺ったりしています。また、当院で出産された赤ちゃんのために、お祈りを捧げます。手術前の患者さんを必ず訪問して、病室で共にお祈りします。そして、患者さんの心のケアにも努めています。

当院では、スタッフが働きやすい環境をつくるように努力しています。スタッフが仕事をするうえで幸せであれば、患者さんにもその思いがより伝わると考えているためです。いきいきと働けるように、院内の人間関係や働きやすい職場環境の調整を心がけています。また、同じ部署のスタッフはもちろん、他部署のスタッフなどにも当院で働く仲間として、患者さんと同じように優しく接するように指導をしています。

東京衛生病院よりご提供

病院は、主に入院と一部の外来診療(産科・救急・ペインクリニック・歯科)及び健診業務を担っています。また、それ以外の外来は附属クリニックである東京衛生病院附属教会通りクリニックで診療しています。さらに、不妊治療専門の東京衛生病院附属めぐみクリニックもあり、各附属クリニックとの連携を図っています。

<東京衛生病院附属教会通りクリニックの主な診療科>

  • 内科
  • 外科
  • 小児科
  • 婦人科
  • 整形外科
  • 泌尿器科
  • 眼科
  • 皮膚科

同クリニックでは、上記の診療科を備え、病院との機能分担をしています。

<東京衛生病院附属めぐみクリニックの診療科>

  • 婦人科(不妊治療・生殖医療)

同クリニックでは、患者さん一人ひとりのご希望に寄り添った不妊治療を行っています。

東京衛生病院よりご提供

当院の産婦人科では、硬膜外麻酔による無痛分娩を多く実施しています。無痛分娩とは、出産のときに硬膜外麻酔(こうまくがいますい)を使い、陣痛の痛みをやわらげて出産する方法です。

また、無痛分娩の際には十分な安全体制を整えて、新しくお母さんになる女性の体に寄り添った、安心な出産や治療ができるように努めています。

当院では、24時間無痛分娩に対応できるようにスタッフをそろえています。しかし、母胎と胎児の状態によってはそれを実施できないこともあります。

当院の入院中の食事は植物性食品を中心とした菜食になっています。食事には、野菜だけでなく卵、乳製品、大豆や小麦からできた植物性ミート製品も活用していますので、満足できるボリュームとなっています。

さらに、当院で出産されたお母さんを対象とした季節のフルーツや手作りケーキなどのデザートバイキングを毎日無料で提供しており、ご家族の方(有料)もご利用いただけます。

不妊治療を行う東京衛生病院附属めぐみクリニックを2017年10月に開院しました。同クリニックでは、タイミング指導や人工授精を行っています。また、人工授精で妊娠にいたらなかった際には体外受精を実施することもできます。

妊娠判定で陽性が出た場合、胎嚢(たいのう)(赤ちゃんを包んでいる袋)が見えて、心拍が確認できるまで妊娠管理を行います。

妊娠が確認されましたら、本院の産科へご紹介いたします。ご希望があれば、他の医療機関への紹介も可能です。不妊治療から出産までの手厚いサポートをこころがけています。

同クリニックでは、第2子以降の不妊治療をされる方々のために、託児サービスを行っています。本来は職員の子どもを預けるためにある院内保育所を利用することができます。事前予約が必要ですが、同クリニックで不妊治療を行っている方々にもご利用いただければと思っています。

当院では地域のみなさまの病気の予防にも貢献していきたいと考えています。そのために、禁酒・禁煙の指導や菜食レシピの紹介、健康セミナーの実施などの活動をしています。

また、病気の早期発見を目的としたさまざまな健診を実施しています。それで、病気が発見された場合、当院で迅速かつ適切な治療を行っていきたいと思っています。

当院では乳がん子宮がん検査を実施していますが、女性の方々特有のがん検診を受けていただくために、さまざまな取り組みを行っています。たとえば、検査を担当する医師や看護師、技師は女性のスタッフで担当するようにしています。また、胸元が見えないように工夫した検査着や、ブランケットの提供などを行っています。

はじめて検査を受けられる女性の方々に、リラックスしていただける環境づくりにも努めています。

地域の方々が病気の治療や出産をされるときに、信頼を持って受診していただけるような病院を目指しています。

私は、当院は病気の治療をするだけでなく、病気の予防や早期発見などにも責任があると感じています。患者さんが幸せになれるような地域医療に努めていきたいと考えています。

また、当院はセブンスデー・アドベンチスト教会が設立しており、世界各地にたくさんの姉妹病院があります。系列病院へ患者さんの紹介をすることもあります。外国からの患者さんが来院された場合でも、英語で対応するスタッフをそろえています。英語の診断書の作成も可能です。国際色豊かな病院づくりも目指しています。

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