院長インタビュー

地域からの信頼に応え続けるために─JCHO九州病院の取り組み

地域からの信頼に応え続けるために─JCHO九州病院の取り組み
内山 明彦 先生

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院 院長

内山 明彦 先生

この記事の最終更新は2018年11月28日です。

JCHO九州病院は、九州厚生年金病院として1955年に開設されました。2004年4月には現在地へ移転し、2014年より、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院として再スタートを切りました。2018年6月現在では、ベッド数575床を有する総合病院として地域の医療に貢献しています。

JCHO九州病院の取り組みについて、院長である内山明彦先生にお伺いしました。

JCHO九州病院外観

JCHO九州病院は、総合病院として幅広い診療科を有し、ほぼ全領域の診療をカバーしています。そのため、さまざまな病気を抱えている高齢者の方の診療などでも、病院内でほかの診療科と協力して対応することが可能です。

また、がん医療や周産期医療、循環器系の内科・外科など、各分野において力を注いでいます。

幅広い診療科を有する中でも、特に循環器小児科、新生児小児科は当院の強みとなっています。心疾患などの先天異常をもって生まれてくるお子さんや、循環器以外にも形成異常をもっているお子さんなどの診療を行っており、さまざまな先天性疾患(生まれつきの病気)に対応が可能です。

また、先天性疾患の治療を受けていた子どもが成人したあとも、当院では継続して診療を行っています。

ヘリポート
ヘリポート

当院では、救急科専門医*をはじめ、各科の医師が救急部門を担当しています。地域周産期母子医療センターの指定を受けていることから、成人の初期対応だけでなく、小児科や産婦人科の救急患者さんの対応にも尽力しています。

救急科専門医…日本救急医学会が認定する救急科専門医

泌尿器科では、主に前立腺がんと腎がんの治療において、内視鏡下手術用の医療ロボット「ダヴィンチ」を導入した手術を数多く実施しています。

循環器内科では、2019年度から心臓の大動脈弁置換などのさまざまなカテーテル治療をスタートしようと考えています。2018年度の整備目標は、大動脈弁狭窄症の治療のひとつ「TAVI」の開始がメインとなっています。

 

外来に設けられた光庭
外来に設けられた光庭

当院では、ポリファーマシーの問題に注目しています。ポリファーマシーとは、病院から必要以上の薬剤が処方されている状態のことをいいます。有害事象の増加や医療費負担の増大などを防ぐため、薬剤の数をきちんと整理することは大切です。

当院では、ポリファーマシー対策として、たとえば、入院患者さんのお薬について「この薬は不要なのではないか」といった検討をし、ある程度は薬剤の数を絞り込むような取り組みを始めています。医師会にも協力を得ており、今後も対策を進めていきたいと考えています。

2014年の改築以降、臨床工学室(医療器材管理センター)で医療機器の点検や整備を行っています。ここでは、点滴関係の機器や、人工呼吸器、透析関係の機器など、病院内のさまざまな機器を一元的に、24時間体制で管理しています。

緩和ケア病棟
緩和ケア病棟

 

当院では、急患の依頼を受けたときは、受け入れが可能かどうか各診療科の医師に確認する時間を短縮するようにし、なるべく迅速に対応しています。また、地域の病院から患者さんを紹介していただいたときは、診療後の報告書をなるべく早く送付するように心がけています。そのほか、研究会に積極的に参加するなど、地域の病院の信頼に応えられるよう努めています。

急性期の専門的な医療を提供する体制を継続していくためには、医療スタッフの人数やチームワークなどが課題となります。当院では、九州大学から医師の派遣という面で協力を得ているため、その流れを続けていきたいと考えています。また、職員の満足感や、やりがいをもってはたらけることを重視して、職場の環境づくりに一層取り組んでいきたいと考えています。

先輩が後輩を指導し、後輩はそれに応えてレベルアップするように循環していく状態を、各診療科のチームごとに継続できるように支えることが、院長の役割だと考えています。地域で信頼される病院づくりはもちろん、医療従事者のはたらく環境を整えることで、患者さんにとってはよりよい接遇として還元されると考えています。

研修医については、学年ごとに毎年約11名を募集しています。この人数であれば、一人ひとりの経験できる症例数が多くなります。2年間の研修を経て卒業していく研修医からは「忙しかったけれど、やりきったという自信がついた」という感想を聞くことができます。

内山先生

若い方には、やる気や情熱を常に持ち続けて、自分自身のレベルを高める努力をしていってほしいと思います。

また、病院にはさまざまな病状の患者さんがいらっしゃいますし、不安な気持ちで来院される方が多いため、優しい姿勢で接することが大切です。患者さんが今なにを希望しているのか、何を言ってほしいと思っているのか、そういったことを考えて行動してもらえればと思います。患者さんとしても、医師が話しながらニコッとするだけで、勇気づけられるのではないでしょうか。

研修会や講習会を開催する講堂
研修会や講習会を開催する講堂

JCHO九州病院は、1955年の開設以来、急性期医療を中心として地域からの信頼に応え続けてきました。この信頼は、各分野の医師たちが培ってきたものだと思います。今後も地域の方々に信頼されるよう、現状に満足せず、常に改善していけるような病院でありたいと考えています。

また、当院では、患者さんにとってよい医療、よいサービスを提供することを大切にしています。患者さんにとっては、よい医療の提供が第一条件かと思いますが、接遇の面でもよいと思っていただけるような病院を目指してまいります。

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  • 独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院 院長

    内山 明彦 先生

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