院長インタビュー

地域住民と地域医療機関に信頼される病院を目指す新潟中央病院

地域住民と地域医療機関に信頼される病院を目指す新潟中央病院
山崎 昭義 先生

新潟中央病院 院長 整形外科 脊椎・脊髄外科センター長、新潟大学 医学部臨床教授

山崎 昭義 先生

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この記事の最終更新は2019年02月12日です。

2018年2月に創立50周年を迎えた新潟中央病院は、整形外科分野を中心に、技術力と安全性を追求した手術を実施しています。特に脊椎・脊髄外科の治療に注力しており、内科や歯科口腔外科などの協力のもと、万全なサポート体制で手術が行われます。新潟中央病院では、病院のさらなる発展を見据えた取り組みを進められています。

今回は、新潟中央病院院長の山崎昭義先生にお話を伺いました。

当院は2018年2月に、開院50周年という節目を無事に迎えることができました。1968年2月に小柳イソ氏の個人経営病院として設立された当院は、病床数87床、内科・外科・整形外科・脳神経外科の4科で診療を開始しました。

その後、増床を重ねながら、2003年5月に回復期リハビリテーション病棟を開設し、2009年6月に脊椎手術用ナビゲーションシステムを導入しました。さらに、2012年6月にO-arm(オーアーム)を導入し、脊椎外科においてより正確な手術が行えるように院内設備の発展に力を尽くしてきました。

O-arm(オーアーム):外科用X線透視装置。ナビゲーションシステムと連動して使うCTと同様な画像が撮れる断層撮影用の機械

実際に新潟中央病院で使用しているO-Arm

当院の整形外科には、専門分野の異なる整形外科医が多数在籍しており、医師の専門領域や取り扱う病気も多岐にわたります。整形外科一般から脊椎外科、関節外科、手・足の外科、骨粗鬆症に至るまでカバーしており、小児整形疾患や腫瘍などのきわめて特殊な病気を除けば、ほとんどの整形外科疾患を院内で対応することができます。外科治療後のリハビリテーションも、転院することなく当院の回復期リハビリテーション病棟で受けることができます。

また、整形外科疾患の治療の際に、当院では内科医および口腔外科医がサポートしています。患者さんの状態を共有しながら診療にあたるため、複数の病気をお持ちの患者さんでも、スムーズな治療が受けられます。

※当院の脊椎・脊髄外来は、完全紹介制です。外来受診を希望の患者さんは、大変お手数ですが紹介状をご持参の上、予約をお取りください。また、当院で手術を受けられた患者さんは紹介状がなくても,電話で予約できます。

救急外来も設けているため、緊急を要する場合には遠慮なくご相談ください。

脊椎・脊髄外科手術を行う前や確定診断のためには、MRI検査が必要不可欠です。このため、当院では常時MRIが稼働しており、検査室はほとんど予約の患者さんで埋まっている状況です。

そこで当院では、遠方から来院される初診の患者さんのために、MRIの予約枠以外に当日枠を設置しました。当院には、県内、県外を問わず、全国各地から患者さんが来院されます。遠方にお住まいの患者さんが、検査のためだけに、病院とご自宅を何度も往復することは、大きな負担と考えました。

MRI当日枠は基本的にお昼前後ですが、緊急を要する患者さんの場合は、放射線技師に連携を取り、深夜であっても撮影を行う場合もあります。

整形外科疾患を抱える患者さんの年齢は高齢化しており、多くの方が高血圧をはじめとする不整脈虚血性心疾患弁膜症などの循環器合併症、また糖尿病や腎障害、呼吸器合併症などを抱えていらっしゃいます。このため、患者さんが外科手術に耐えられるかをしっかりと見極め、判断しなければなりません。このサポート役を担うのが当院の内科です。

当院では、内科医が患者さんの循環器・腎機能などを定期的にチェックする体制を整えています。各臓器の状態を良好に保つことで、手術に耐えられる体を維持し、患者さんが安心して手術に臨めるようにしています。

また、当院の内科では、内視鏡検査(消化器)および超音波検査、禁煙外来、内分泌疾患(糖尿病、甲状腺の病気など)の検査・治療にも積極的に取り組んでいます。

当院では、歯科口腔外科と整形外科が連携して患者さんの口腔ケアに注力しています。

当院で全身麻酔下での手術を受けるご予定の患者さんに対しては、原則的に口腔ケアを受けていただきます。その際に動揺歯があれば、治療していただきます。また、誤嚥性肺炎を予防する目的の嚥下訓練も、歯科口腔外科にて実施しています。

脊椎・脊髄の手術中には、脊髄モニタリング(運動神経に刺激を与えて神経の状態を確認する検査)を実施し、四肢の動きを確認します。万が一、手術中に舌や唇を噛んだり、歯が欠けたりする危険性もあるので、こうした口腔外科によるフォローが欠かせません。

当院の課題は、病院長の私と理事長の柴田実先生が臨床現場の最前線に立ち、手術を執刀し続けていることです。今後は、次世代の医師に徐々にバトンタッチする必要があり、その状況を作っていかなければならないと考えています。

新しい形で次世代にバトンをつなぐために、現在、当院は建て替えも検討している段階です(2019年1月時点)。

また、これからは内科系専門医(循環器・内分泌など)の更なる充実を図っていきたいと考えます。内科系専門医は患者さんの全身管理に欠かせない存在です。院外からの医師の採用も強化して、急性期から回復期に移行した患者さんが病院を移ることなく、当院で一貫して急性期から回復期までを診られる施設に発展させることが目標です。

この目標を実現するためには、人材確保だけでなく他の病院や診診療所との連携の強化も必要になるでしょう。

当院は、新潟駅や新潟中央ICからのアクセスも良好で、さまざまな検査機器を取りそろえた施設です。整形外科領域の多数の手術実績を重ねており、脊椎・脊髄外科の手術件数は毎年800件以上にのぼります。また、整形外科の外傷患者さんの受診数もかなり多いです。新潟県内にお住まいの方々はもちろん、遠方の患者さんや他の医療機関、医療従事者が安心・信頼して利用または紹介していただける病院を目指して、これからも職員一同努力を重ねてまいります。

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  • 新潟中央病院 院長 整形外科 脊椎・脊髄外科センター長、新潟大学 医学部臨床教授

    山崎 昭義 先生

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