脳卒中後には、後遺症を改善するためにリハビリテーション(リハビリ)を行います。脳卒中後の症状は患者さんによってさまざまですが、入院後できるだけ早期から積極的にリハビリに取り組んでいただきます。
今回は、手稲渓仁会病院 脳神経外科 浅岡克行先生に、脳卒中の治療後のフォロー体制についてお話しいただきました。
脳卒中後には、後遺症を改善するためにリハビリを行います。脳卒中後の症状は患者さんによってさまざまですが、基本的に入院後できるだけ早期にリハビリを開始します。発症後、何もせずに時間が経過すると、回復が遅れたり、期待されるところまで改善できなくなってしまったりするケースがあるからです。
病状の軽い方は自宅退院を目指して、早期から積極的にリハビリに取り組んでいただきます。一方、重症の方や手術治療を行った場合であっても、できる範囲のリハビリを早期から開始します。たとえば、自分で動くことができないような方の場合には、ベッドサイドで関節が固まらないよう手足を動かすリハビリから始め、食事をすることができないような方の場合には、口の中に刺激を与える等のリハビリから始めることもあります。
当院には、それぞれの専門性をもつ理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が在籍しており、長期の連休などの際にも、できる限り切れ目なくリハビリを受けていただけるような体制を築いています。
また、私たち渓仁会グループには、系列に札幌渓仁会リハビリテーション病院、札幌西円山病院、定山渓病院があり、転院後のリハビリにも対応しており、急性期の治療から回復期・慢性期まで連携がしっかりとされている点も、患者さんの回復に寄与できる点であると思っています。
一方、当院には、さまざまな地域から患者さんがいらっしゃいますので、患者さんやご家族がご自宅の近くに転院されることを希望されるケースもあります。そのような場合は、ご自宅近くの病院へ診療情報を添えてご紹介し、患者さんのご希望になるべく添うよう努めています。
脳卒中は再発する可能性があります。なかでも、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病をかかえる方は再発のリスクがより高いと考えられています。このような方は、まず食事の見直し、禁煙、節酒、運動習慣をつけるなど、生活習慣の改善をすることが大切です。次に、生活習慣病に対する内科的治療を継続的に行うことです。調子がよいからといって、自己判断で治療を中断しないでいただきたいと思います。
当院での脳卒中に対する入院治療後、退院した後に状態が落ち着いている場合は、ご自宅近くなど通院しやすい場所にかかりつけ医を持っていただき、体調管理や生活習慣病の治療のために日常的に受診していただくようにしています。そのうえで、年1回程度は脳の検査を受けていただき、再発がないかどうか確認させていただきます。こうしたことを継続していくことが、脳卒中の再発予防につながると思います。
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 院長補佐/脳疾患センター センター長
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