名豊病院は愛知県豊田市に位置しており、このエリアで“最南端の砦”となる病院として、地域に寄り添った医療を展開しています。内科、外科といった一般的な診療に加え、腹腔鏡ヘルニアセンターや人工透析センター、リハビリテーションセンターを開設し、専門的な医療提供にも力を入れています。同院の特徴について、院長の早川 哲史先生にお話を伺いました。
当院は医療法人 純正会の病院の1つで、豊田市やお隣のみよし市から患者さんが多く訪れます。2021年12月より “名豊病院”と名称を改め、よりいっそう地域に必要とされる病院となるよう新たなスタートを切りました。豊田市は非常に大きい市であり、人口減少率も低く高齢化も緩やかに進んでいます。一方で、これから高齢化の波が押し寄せることが予測され、地域で求められる医療にも変化があると考えられます。当院ではそうした未来も見据え、さまざまな病気に対応する専門外来診療に加え、療養型病床や回復期リハビリテーション病床、また長期入院に対応可能な透析室などを備え、幅広い対応ができるよう努めています。
当院には現在、16の診療科があります。内科は細分化されており、一般内科をはじめ消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、人工透析内科、脳神経内科がそれぞれ連携を取りながら診療にあたっています。消化器内科では、64列マルチスライスCTや3テスラMRIなどを備え精密な検査が可能となっており、また外科との連携で診断から治療までスムーズに進めるよう努めています。そのほか外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、歯科口腔外科や皮膚科、さらに美容皮膚科などもそろっています。
当院の整形外科は、手の外科や脊椎外科、人工関節の手術など幅広い分野の治療を行っています。また、最新の技術を取り入れながら手術を行えるよう設備を整えており、人工関節をはじめとする手術には3次元CAD技術と3Dプリンターを用いた術前計画を進めています。さらに、救急体制の充実にも力を入れており、地域医療に貢献できるよう努めています。
腹腔鏡ヘルニアセンターは院長である私が中心となり、日本消化器外科学会認定の消化器外科専門医を中心としたメンバーで技術を尽くした手術を行っています。
私自身は、日本ヘルニア学会の名誉理事長を務めており(2024年2月現在)、これまで数多くのヘルニア手術の執刀および指導をしてきました。特に鼠径ヘルニアの手術である腹腔鏡鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)に関しては30年以上前から行っています。
当院では、非常に小さな3個の穴から腹腔鏡カメラ(内視鏡)を入れて治療を行います。傷あとが小さく済むことや痛みも軽減されるなどメリットも多く、他の病院で治療が難しいと言われた患者さんや、再発した患者さんの駆け込み寺のような役割も果たしています。
当院のリハビリテーションセンターには、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったセラピストが31名所属しています(2023年時点)。当院のリハビリは、整形外科疾患をはじめ、脳血管疾患、高次脳機能障害、また廃用症候群や嚥下障害、神経変性疾患などが対象となります。主科で必要と判断された外来患者さんの受け入れのほか、必要に応じて回復期病棟・療養病棟に入棟されている方を対象とした入院リハビリも行っています。
当院は40床の透析ベッドを擁しており、“笑顔の透析Lifeの提供”をコンセプトとして、一人ひとりに合わせた透析を行っています。オンライン透析(IーHDF)などの特殊な透析にも対応が可能であり、さらに電子カルテと透析情報管理システムを連携させ安全面にも配慮しています。
また、当院は手術と透析がどちらも行える環境であるため、たとえば透析を受けている患者さんがヘルニアの手術を受けるといった場合にもスムーズな医療提供が可能です。
当院は前述のような専門的な医療提供を行っていますが、一方で内科や外科、整形外科といった一般的な診療も行っています。当院で検査から治療まで完結する病気も多くありますが、さらに大きな病院へ連携が必要な場合や当然かかりつけの医師との連携も重要です。当院ではそうした地域での連携を重視しており、当院に来れば連携も含めて適切な医療を受けられるようにできればと考えています。
当院では、健康講座や出前講座といった地域での医療情報の発信にも積極的に取り組んでいます。この講座では当院の各診療科の医師はもちろん、私自身も講師としてお話させていただいています。また、豊田市や近隣の地域での出前講座の依頼も受け付けています。
当院は理念として“地域に根ざし、地域に愛され、地域に貢献できる医療の実践”を掲げています。地域とのつながりを大切にしていきたいと考えていますので、地域の皆さんにはぜひ気楽に当院に足を運んでいただければと思います。前述のとおり、一般的な診療はもちろん専門的な医療提供も行っています。特に、鼠径ヘルニアをはじめとするヘルニアの手術においては自信をもって取り組んでいますので、ぜひご相談いただければと思います。
*医師の在籍状況、診療科や診療内容等についての情報は全て2024年2月時点のものです。
名豊病院 病院長
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現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。