院長インタビュー

循環器内科を中心に専門的な医療で地域を支える“みどり病院”

循環器内科を中心に専門的な医療で地域を支える“みどり病院”
室生 卓 先生

医療法人社団倫生会 みどり病院 理事長/院長

室生 卓 先生

目次
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みどり病院は、瀬戸内海沿岸にほど近い、神戸市西区と明石市の市境に位置した病院です。特に心臓弁膜症不整脈への治療など循環器内科領域において実績を重ねており、医療提供だけでなく医療従事者に対する診断技術向上の場としても積極的な取り組みを行っています。同院の特長について、理事長・病院長を務める室生 卓(むろう たかし)先生に伺いました。

先方提供

みどり病院は、1980年に “みどり診療所”として神戸市西区枝吉にて開設されました。開設から徐々に増床を重ね、現在は108床を擁する病院となっています。循環器内科を中心とした診療を行っており、神戸市西区から明石市の地域医療に取り組んでいます。

当院の医療圏では、神戸市西区と明石市合わせて約50万人の方が生活しています(2024 年4月時点)。この地域ではそれほど急激な高齢化は感じられないものの、当院が設立された高度経済成長期には大規模な県営住宅が建設され、現在もそういった集合住宅にご高齢の方が多くお住まいになっています。当院の周辺には急性期病院が複数存在しますが、当院はその中で一般急性期医療をはじめ、予防医療や在宅医療など幅広くカバーしながら、地域のニーズに合わせた医療を提供できるよう努めています。

先方提供

当院の循環器内科では、心筋梗塞(しんきんこうそく)などの虚血性心疾患不整脈をはじめとする幅広い心血管疾患に対する診療を行っています。

特に心房細動という不整脈に対するアブレーション治療や弁膜症治療においては着実に実績を重ねています。カテーテル治療は、体への負担がそれほど大きくないため、遠方の患者さんも多くお越しになっています。

心房細動は血栓を作る原因となる危険な不整脈で、できた血栓が全身に流れていくと脳梗塞肺塞栓症(はいそくせんしょう)の原因にもなります。その心房細動を止めるために薬による治療を取り入れつつ、ピンポイントで心筋を焼灼するアブレーションという治療を行うことがあります。当院はそのアブレーションに力を入れており、関連する学会からも専門医研修の認定施設として指定されています。

もう1つの強みでもある高齢の方に対する医療では、地域密着型の訪問診療を行っています。たいへん多くのニーズがあり、それに応えられるよう当法人の訪問看護ステーションや老健施設、グループホーム、居宅介護サービスなどと強固な連携を図っています。

また、近隣の医療機関や特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの高齢者サービスの事業所ともしっかりと連携し、高齢者の方々にとって必要な医療を提供できるよう尽力しています。

当院では、私が代表世話人を務める“循環器Physical Examination(フィジカル イグザミネーション)研究会”の講習会を定期的に開催しています。

フィジカル イグザミネーションとは、聴診、触診、視診といった、従来からある直接的に患者さんの状態を診ていくもので、この研究会はそれを医療従事者が実践的に学ぶ有志の会になります。

心電図やCT、カテーテル検査などといった高度な医療技術や機器が発達した現代においても、こういった聴診・触診などから得られる客観的な所見は、重要な役割があります。実際の診療では医療機器による検査も行いますが、たとえば聴診だけでも右脚ブロック肺高血圧症もある程度診断することができ、機器による検査結果の裏付けにもなります。こういった場で研鑽し技術を向上することにより、検査データと同等の診断力を持つこともでき、検査機器の結果に不具合が出たときでも見逃す可能性が低くなるでしょう。

この研究会は毎回開催告知をするたび大きな反響を呼んでおり、医療機器が発達した現代でもニーズがあることを実感しています。現在は、医師だけでなく臨床検査技師や理学療法士など全職種を対象として、新たな知見を得ることで次世代の医療に貢献しています。日本心臓病学会からも後援を受け、例年心臓病学会の会期中にはセッション企画を行ってこれらの取り組みを広めています。

*右脚ブロック……心臓の刺激伝導系路の中で右室の興奮伝導路が障害され、電気の通りが悪くなっている状態を指す。

当院は、地域の人々が健やかに安心して暮らせる医療環境づくりに貢献したいと考えています。

現代社会における医療の在り方として、病気を治し日常生活に戻るための従来の医療、そしてあえて積極的に治さない、病気と共存しつつ残された時間を有意義に過ごすサポート、この2つのアプローチの必要性を感じています。

生きている限り必ず死は訪れます。余命が予測され心づもりができる時間があるならまだよいのですが、突然来るかもしれないそのときに備え、どう生きたいか、ご家族もどう安らかに送ってあげるかを考えておくことは、最期の時まで自分らしく生きるために必要なことではないでしょうか。

同じ家族でも考え方が違うことは往々にあります。患者さんの尊厳ある生の時間を守るために、私たち医療従事者も一緒に考えていくことができればと思います。

これからも、患者さん一人ひとりの希望や価値観に寄り添った医療を提供していけるよう尽力してまいります。

*病床数や医師、提供する医療の内容等についての情報は全て2024年5月時点のものです。

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