じょうがくどうえん

上顎洞炎

別名
DLE
最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

上顎洞炎とは、上顎洞の粘膜が炎症を起こしている状態です。「蓄膿症」「乾酪性上顎洞炎」「DLE」と呼称される場合もあります。CTなどの検査方法の発達により、が溜まっていなくても、粘膜の肥厚だけで炎症が起こっている病態も分かるようになったため、最近は上顎洞炎と呼ばれています。

上顎洞は、顔の骨にある空洞(副鼻腔)のひとつで、頬骨と歯の間にあります。上顎洞が何のために存在しているかは不明ですが、頭の骨を軽くするため、外力を分散させるため、声を共鳴させるため、などといわれています。

原因

主に、鼻腔の炎症が上顎洞に拡がることによって起こります。これは、鼻腔の粘膜が上顎洞内部の粘膜に続いているためです。

さらに、鼻腔と上顎洞が交通している部分が上顎洞の上方にあるため、上顎洞の粘膜に炎症が起こった場合には、交通している部分が狭くなり、が自然に排泄されずに溜まり、上顎洞炎になりやすいのです。

鼻腔から感染する原因としては以下のようなものがあります。

など

また、鼻腔からの感染と症状は同じですが、歯が感染の原因となる歯性上顎洞炎と分類されることもあります。これは、虫歯や歯の打撲脱臼などによって、歯のなかにある神経が壊死し、腐敗した組織が上顎洞直下の骨を通して上顎洞底部に拡がったり、歯周病などの歯の周囲の炎症が上顎洞に拡がったりすることで起こります。

また、人工歯根を埋める外科的処置に関連して上顎洞炎を発症する事故も報告されています。

症状

上顎洞炎の症状は以下のようなものがあります。

  • 鼻づまり
  • 黄色い鼻水が出る
  • においを感じにくくなる
  • 頭痛
  • 悪臭
  • 鼻水がのどの奥に流れる

また炎症が上方に拡がると視力障害、下方に拡がると歯痛が起こります。さらに、咽頭にひろがると咽頭炎となり、咽頭にある耳管を介して中耳に炎症がひろがると中耳炎を、気管支までひろがると気管支炎を起こします。

検査・診断

内視鏡(ファイバースコープ)

粘膜の腫れや鼻水の状態を確認します。

画像検査

上顎洞炎では、エックス線写真やコンピュータ断層撮影(CT)による検査を行います。これらの検査によりの存在・粘膜肥厚の状態を確認します。健康な上顎洞は黒く見えるのですが、膿が溜まり粘膜肥厚があると白く写ります。

その他、ファイバースコープや硬性鏡を用いて鼻腔内を観察し、上顎洞と交通している部位から膿が流れ出ていないかを確認します。

治療

大きく分けて保存処置と外科的処置があります。

保存処置

耳鼻科での診察では、薬を用いて鼻腔を広げ、さらに麻酔をしたうえで、細いカテーテルを用いてを吸引します。また、家庭においても、自己洗浄用の医療機器を用いて、鼻腔や副鼻腔に溜まった膿を生理的食塩水により洗浄します。さらに、ステロイド剤や抗生剤を霧状に吸入させるネブライザー治療があります。

その他、下記のような薬剤により治療を行います。

  • 抗生物質:殺菌のため。また、マクロライド系の抗生剤を長期投与することにより、鼻粘膜のはたらきを活性化し排膿を促すため
  • 蛋白分解酵素剤:膿を分解するため
  • 消炎鎮痛剤:痛みや炎症を抑えるため

外科処置

内視鏡を使って、病的に肥厚しているために上顎洞との交通が閉鎖している部分の鼻腔粘膜を切除・開放することで、上顎洞に溜まっている膿を出しやすくします。また、歯性上顎洞炎の場合には、歯科にて歯の治療や抜歯が行われます。

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