じょうがくどうえん

上顎洞炎

概要

副鼻腔炎(ふくびくうえん)の中で、上顎洞と呼ばれる場所に炎症が生じたものを上顎洞炎といいます。副鼻腔とは鼻腔につながる4つの空洞の総称で、上顎洞は頬骨の裏側にあります。

感染症や歯の病変などが原因で発症することが知られており、歯や目の痛み、頭痛、発熱などの症状が現れます。治療は原因によっても異なりますが、薬物療法や歯科治療と併せて外科的治療を行うことで症状の早期改善につながるといわれています。

原因

上顎洞炎は罹病期間によって、急性と慢性に大きく分けられます。それぞれの発症要因は以下のとおりです。

急性上顎洞炎

細菌やウイルスへの感染などが原因で起こります。かぜやインフルエンザなどにかかると上顎洞を含む副鼻腔内に体液がたまりやすくなり、細菌やウイルスの増殖につながります。

慢性上顎洞炎

急性上顎洞炎がなかなか治癒しないと、慢性上顎洞炎に移行することがあります。また、歯根部の病変やインプラント周辺部から炎症が波及するなどして、慢性上顎洞炎を発症することもあります。

症状

急性上顎洞炎

鼻閉や鼻汁という一般的な副鼻腔炎の症状以外に、歯の痛みや頬の痛みが強く出る方もいます。また、症状の強い方は、発熱とともに倦怠感や食欲不振といった全身症状が現れることもあります。

慢性上顎洞炎

急性上顎洞炎と比較すると症状が軽いのが特徴です。頭痛や頬部痛、耳閉感などが現れる場合もあります。また、臭いの強い鼻汁が出ることもあります。

検査・診断

上顎洞炎を含む副鼻腔炎では、CT検査などの画像検査を行い、炎症の広がりなどを確認することがあります。場合によっては、鼻汁を採取して、炎症の原因となる細菌の種類を特定します。

治療

薬物療法

軽症の場合は、まず経過観察から始まることがありますが、症状が改善しない場合や重症の場合は抗菌薬による治療を行います。また、発熱がみられる場合には解熱薬を、痛みが強い場合には鎮痛薬を使用し、症状の緩和を図ることがあります。

歯科治療

歯が原因で炎症が起こっている場合には、歯科治療を行う必要があります。抜歯せずに治療可能な場合もありますが、病巣が広がっている場合には抜歯を行うケースもあります。

外科的治療

内視鏡を用いて上顎洞内を開放してを排出する外科的治療が行われることもあります。薬物療法や歯科治療と併せて外科的治療を行うことで、早期改善が期待できます。

予防

虫歯は上顎洞炎の原因になり得るため、放置せずに早期に治療を行うことが大切です。また、歯周病インプラントが原因で発症することもあるため、定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。

かぜやインフルエンザなども発症要因の1つであるため、感染症対策を行うのもよいでしょう。

最終更新日:
2025年04月16日
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2025/04/16
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

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