原因
動脈管は出生後に肺呼吸を行うことで、血液中の酸素増加とプロスタグランジンという物質の血中濃度低下によって収縮し、機能的に生後10~15時間、器質的には生後2~3週ほどで閉鎖します。
しかし、以下に記載するさまざまなケースによって動脈管の閉鎖が妨げられます。
早産による動脈管組織などの未発達
低出生体重児の動脈管は、正期産と比べて酸素の反応が鈍く、またプロスタグランジンの代謝が未成熟で体内に残りやすいため、動脈管が閉じにくいと考えられています。
さらに低出生体重児は動脈管の組織が十分に発達する前に生まれることもあるため、動脈管が閉鎖しにくいことも動脈管開存症を発症しやすいとされています。
血中の酸素不足
出産時のトラブルや、ほかの先天性心疾患によって血中の酸素が不足した状態になることも動脈管開存症の原因となります。
先天性風疹症候群
妊娠中に母親が風疹ウイルスに感染した場合、胎盤を経由して胎児が先天性風疹症候群を発症することがあります。この先天性風疹症候群も動脈管開存症を引き起こしやすいことが知られています。
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