肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送る血管(肺動脈)が狭くなり、血液が流れにくくなることによって肺動脈の血圧が高くなる病気です。肺高血圧症は、動脈管開存症によって引き起こされるケースがあります。本記事では、動脈管開存症と肺高血圧症の関連について、昭和大学横浜市北部病院 循環器センター センター長の富田 英(とみた ひでし)先生にお話しいただきます。
肺内部は、空気が入っている部分と肺動脈を通ってきた血液が入る部分があり、通常は両者のバランスが取れています。しかし動脈管開存症では、動脈管を通して肺にたくさんの血液が流れてくることになり、両者のバランスが崩れてしまいます。肺の容積は決まっているため、血液は空気が入る場所を圧迫します。その結果、血液のガス交換がうまく行われず呼吸が苦しくなってしまうのです。血液が肺にたくさん流れる状況が続くと、肺の血管は縮まり、あまり血液が流れてこないようにします。このような肺の血管が縮まることを肺高血圧といいます。単に肺に流れてくる血液の量が多いために肺の血圧が上がるということもいえます。しかし、肺高血圧は呼吸が苦しくならないようにするという、人間の防御反応ともいえるのです。
血管の収縮が続くと徐々に血管の壁(筋肉)が厚くなり、その壁がかたくなってしまいます。単に筋肉が厚くなっているだけであれば、肺にかかる負担を取ることで血管の収縮はもとに戻ります。しかし血管の収縮が続くと、筋肉が繊維組織(かたい組織)へと変化し、血管壁が繊維性組織で肥厚した状態になります。このような状況になると、動脈管開存症の治療を行って肺の負担を取り除いても血管はもとに戻りません。つまり、不可逆性(再びもとの状態に戻れないこと)の肺高血圧症となります。
最初は動脈管開存によって起こった肺高血圧ですが、不可逆の状態になると、動脈管開存とは関係のない「肺高血圧症」となってしまいます。繰り返しになりますが、肺高血圧症になると動脈管開存を治療して肺への負担を取り除いても肺高血圧症は残り、逆に進行するようになります。このようなことから、前項「動脈管開存症の診断と検査」でも述べたとおり、肺生検は動脈管開存を治療した場合に肺高血圧が治るかどうかを細胞組織的にみるために行います。まずは急性肺血管拡張試験によって、筋肉が繊維状になっているのか、弛緩することができるかを見極め、このような試験だけでは判断が難しい場合(微妙な重症度の肺高血圧の場合)に行われる場合があります。
昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター センター長
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肺高血圧症 最大肺動脈圧
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子宮筋腫から来る症状について
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最低血圧が、100
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奥歯の痛みについて
85歳になる祖母が今日の夕方頃から突然奥歯が痛み始め、噛んだら痛むので何も食べれないと言ってきました。調べたら放散痛というものがあると知り、放散痛の症状の1つに歯の痛みがあり、祖母は心臓の持病も抱えているのでとても心配になりました。祖母が定期受診している歯医者の予約は明後日で、もし痛みが続く場合や歯医者での診断で特に問題がなかった場合は放散痛の可能性を考慮して専門医に検査をしてもらった方がいいでしょうか?ちなみに祖母の心臓病は詳しい病名は分かりませんが、高血圧や不整脈に近いです。祖母は現在歯の痛み以外には肩こりがするみたいでそれ以外は特に身体の不調はありません。奥歯の痛みは何も噛まなければ特にずっと痛みが続く訳ではなさそうです。心配し過ぎかもしれませんが、わたしにも精神的な障害があり、祖母とはずっと一緒に住んでいるので、どうしてもネットで調べた情報で考え過ぎてしまうので医師の意見が聞きたいです。
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