へんけいせいこかんせつしょう

変形性股関節症

股関節

目次

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概要

変形股性関節症は、股関節を構成する骨や関節軟骨に不具合が生じることで、関節軟骨の減少、骨の変形を来す病気です。病状の進行に伴い関節の痛みや動きに制限が生じ、日常生活にも支障が出るようになります。

加齢とともに徐々に悪化することもあり、適切なタイミングで治療するかどうかを決定することが重要です。そのため、痛みがなくても定期的に専門医に受診し、経過を観察しながら、適切な時期に適切な治療を受けることが大切です。

原因

股関節は丸いボールのような大腿骨の骨頭と、骨盤側で受け皿となるお椀型の寛骨臼(かんこつきゅう)が組み合わさって構成されています。発育時に股関節のかみ合わせが悪かったり、加齢によって関節軟骨がすり減ったりすると、股関節のスムーズな動作が障害を受けて変形性股関節症が生じます。

発育性股関節形成不全

日本においては変形性股関節症の発症の主な原因となっています。ただし、発育性股関節形成不全を生じたすべての方が、変形性股関節症を発症するわけではありません。

加齢による軟骨の摩耗

加齢に従い軟骨が弱くなり、長年の負担が積み重なってすり減ることも変形性股関節症の一因です。社会全体の長寿・高齢化が進み、結果的に変形性股関節症の患者さんも増えています。また、近年の日本における変形性股関節症の増加と、食生活の欧米化との関連も考えられています。

症状

変形性股関節症は前股関節症・初期・進行期・末期の4段階に分類され、変形の程度に応じて症状も異なります。

初期症状

足のつけ根やお尻、膝の上部にこわばりや重い感じがあり、歩き始めや長時間歩いたとき、階段の昇降時に痛みを感じるようになります。炎症が強い場合や股関節唇(こかんせつしん)の損傷があると、初期でも強い痛みが出ることがあります。

進行症状

進行期から末期へ進むにつれて痛みが強くなります。日常動作の制限も増えるため、生活に支障を来すようになります。

検査・診断

変形性股関節症は、症状の進行具合や既往歴などから疑われます。変形性股関節症の可能性が疑われる場合、レントゲン検査が行われます。ごく初期の段階では軽い変化がみられるのみですが、重症度が高くなるにつれて関節の隙間が狭くなる、軟骨下骨が硬くなるなど、より明確な変化がみられます。

さらに進行すると関節軟骨も消失します。このような形態の変化はCT検査やMRI検査を行うことでより明確に確認できます。

治療

変形性股関節症の治療は、患者さんの年齢、原因となる病態、また病状の進行度によって適宜選択されます。発症初期であれば保存療法、病状が進行している場合は手術が行われます。

保存療法

発症初期は、痛みを緩和するために副作用の少ない消炎鎮痛剤を使いながら、運動療法を中心とした保存療法を行います。このとき、運動による筋力の増強、筋肉バランスや姿勢の改善、適正な体重の維持など、生活指導が行われることもあります。

手術

変形性股関節症の手術には大きく分けて骨切り術と人工股関節置換術があります。

骨切り手術

骨切り術は、関節近くの骨を切り、関節のかみ合わせをよくすることで軟骨のすり減りを防ぐ手術です。骨切り術のなかでも寛骨臼回転骨切り術(かんこつきゅうかいてんこつきりじゅつ)という術式が比較的よく選択されます。

この手術は、軟骨がすり減って病状が進行することを防ぐ目的で行われます。骨盤側の受け皿のかぶりが浅い場合に、受け皿の一部の骨を切り、外側にスライドさせ、しっかりとかぶせるようにします。骨切り術には、自分自身の関節を残せることに関連したメリットがあります。

人工股関節置換術

ただし、骨切り術にはデメリットもあるため、患者さんの病状に応じて人工股関節置換術を選択することもあります。

人工股関節置換術を受ける際には、注意すべき合併症の説明や術後避けるべき姿勢を指導されることがあります。また人工股関節は、再手術(再置換)が必要になる場合があります。こうした注意点があることもあり、手術後は担当医の指示のもと、定期的にチェックを受ける必要があります。

人工股関節置換術後の再手術

かつては20年経過するとおよそ6割にゆるみが生じ、そのうちの約半数が再置換を受けているとされていましたが、現在は摩耗に強いインプラントが開発されており、長期の耐用年数、インプラント寿命が期待されています。

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