たもうしょう

多毛症

最終更新日:
2023年04月20日
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2023/04/20
更新しました
2017/04/25
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概要

多毛症とは、体のさまざまな部位の体毛の量が増える病気のことです。体毛が増える部位や範囲はさまざまであり、生える体毛も細く軟らかいものや硬く太いものなど多くのパターンがあります。

多毛症の原因は多々あります。代表的なものとして挙げられるのは女性の“男性型多毛症”で、男性ホルモンが過剰に分泌されることによって引き起こされます。一方で、がんや薬の副作用、皮膚の病気、遺伝子変異などが原因となって多毛症が生じることも少なくありません。

多毛症によって体毛が増えること自体は健康に害を及ぼすことはありませんが、体毛の増加は“見た目”に大きく関わります。そのため、原因となる病気の治療とともにレーザー脱毛などで体毛を減らす治療を行うこともあります。

原因

多毛症は、男性ホルモンの一種である“アンドロゲン”が発症に関わっているものと、そうでないものに分けられます。

アンドロゲンが関わる多毛症は“男性型多毛症”と呼ばれます。アンドロゲンは太く濃い体毛の成長を促す作用があるため、アンドロゲンの分泌量が多くなると多毛症を発症すると考えられています。アンドロゲンの分泌が増加する原因としてもっとも多いのは多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)ですが、アンドロゲンの分泌を引き起こす脳(下垂体)・卵巣・副腎などの腫瘍(しゅよう)、ステロイドや経口避妊薬などの作用でアンドロゲンの分泌量が増えることも原因として挙げられます。耐糖能異常を伴うことが少なくなく、体重増加や高血糖が関係することも考えられます。

一方、アンドロゲンが関わらないタイプの多毛症は、薬の副作用、低栄養、頭部外傷皮膚筋炎、皮膚への摩擦や炎症、遺伝子の変異などさまざまな原因が知られています。

症状

多毛症は体毛が増える病気のことですが、体毛が増える部位や範囲はさまざまです。

男性型多毛症の場合は、顔・胸・背中・脚などに太く濃い体毛が多くみられるようになります。また、男性型多毛症はアンドロゲンの分泌量が増えることによって引き起こされるため、体毛の増加だけではなく、月経不順無月経、さらに声が低くなる、筋肉量が増えて男性らしい体つきになるなど“男性化”と呼ばれる症状を伴うことも少なくありません。

一方、アンドロゲンが関わらないタイプの多毛症は、体のあらゆる場所に体毛が増えるのが特徴で、体毛の性状も細く軟らかい場合もあれば、太く硬い場合もあります。また、遺伝子変異による多毛症の場合は、出生後から体毛が多くみられるのが特徴です。

検査・診断

多毛症にはさまざまな原因があるため、発症が疑われる場合は原因を調べるため以下のような検査が行われます。

血液検査

アンドロゲンなどのホルモンの分泌量を測定したり、栄養状態など全身の状態を評価したりする目的で血液検査が行われます。耐糖能異常を伴うこともあるので血糖値を測定することもあります。

画像検査

多毛症は多嚢胞性卵巣症候群や腫瘍などによって引き起こされることがあるため、これらの病気の存在が疑われる場合は超音波、CT、MRIなどによる画像検査を行う必要があります。

治療

多毛症は体毛が増える病気ですが、体毛が増えること自体は健康に大きな害を及ぼすものではありません。しかし、“見た目”に大きな影響を与えるため、体毛を減らすためにレーザー脱毛などの治療が行われることもあります。

一方で多毛症は、上述したように多嚢胞性卵巣症候群や種々の腫瘍などによって引き起こされることもあり、何らかの病気が原因の場合には、それらの病気の治療が必要になります。排卵障害を伴う多嚢胞性卵巣症候群の場合、挙児希望のある(妊娠を望む)場合は、排卵誘発剤が使用されます。挙児希望のない方には低用量ピルによるコントロールがすすめられます。

詳しくは『多嚢胞性卵巣症候群とは―卵子が卵巣から出られなくなる疾患』をご覧ください。

予防

多毛症にはさまざまな原因がありますが、その多くが発症を予防することができない病気などです。一方で、ステロイド、経口避妊薬、フェニトインなど、副作用として多毛症を引き起こす薬剤を内服している場合は、薬剤を変更したり減量したりすることで発症を抑えることができる場合もあるため、医師に相談するとよいでしょう。

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