症状
大理石骨病は症状の現れ方が多岐にわたることが特徴の1つです。
重篤な“劣性遺伝”形式による大理石骨病の場合には、増加した骨が骨の内側にあって血液を作っている骨髄のスペースを狭くしてしまい、新生児期や乳児期から白血球や赤血球、血小板などの血液細胞を作る骨髄の機能が著しく低下し、感染・貧血・出血などを起こしやすくなります。
また、骨からカルシウムが溶け出さないことにより低カルシウム血症を呈することもあります。そのほか、水頭症や種々の神経症状を引き起こします。このような重症のケースでは幼少期に主には骨髄機能低下による重症感染症によって死に至ることが多いと知られています。
一方、乳児期まで症状が現れない“優性遺伝”形式による大理石骨病の場合では、骨が部分的に硬くなる一方、骨の正常な吸収と形成のサイクルが低下するため正常な骨に比べて脆弱な構造となります。そのため、特に長管骨(腕や足、手足の指の骨)の中央に近い部分や肋骨の骨折を些細な刺激で起こしやすくなります。特に大腿骨の転子下(軸となる部分の上方)の骨折は非定型骨折といわれます。
また、骨の中へ細菌が侵入しやすくなるため、特に顎などに骨髄炎を起こしやすくなります。これらの症状は骨粗しょう症治療薬のなかでも骨吸収抑制薬(ビスホスホネートやデノスマブ)を長期に使用している場合に起こる合併症としても知られており、同じ理由(正常な骨代謝サイクルの低下)で発症します。
そのほか、成長障害や歯の形成異常および、厚くなった骨がその周りや中を通っている神経を圧迫してしまい、難聴や顔面神経麻痺、手足などの末梢神経障害などの症状を引き起こすことも少なくありません。ですが、骨髄の機能に関しては軽度な低下にとどまるケースやまったく異常がないケースが多く、そのため命に関わるような症状を引き起こすことはないとされています。
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