治療
男性不妊では、不妊が生じている原因に応じて生活習慣の改善、薬物療法、手術治療、生殖補助医療などが検討されます。
生活習慣の改善
現在服用している治療薬に男性不妊と関連するものがある場合や、喫煙、アルコールの取り過ぎなどの習慣がある場合には、治療薬の服用の中止が検討されたり、禁煙、飲酒量の制限などが指導されたりします。また、サウナや長風呂など精巣を長時間温める行為は避けるようにしましょう。
近年、生活習慣と精液所見(男性不妊症)との関連も指摘されており、規正しい生活や、適度な運動と睡眠も重要です。また禁欲期間が長いと精子の質が低下するという報告もあるため、適度に射精を行うことも大切です。
性機能障害のある人の場合、カウンセリングやマスターベーションの方法を矯正することも検討されます。
薬物療法
精液に異常がある場合、原因に応じてホルモン剤による内分泌療法、漢方薬やビタミン剤、血流を改善する治療薬などによる非内分泌療法などが検討されます。
また、性機能障害がある場合には抗うつ薬や、勃起不全に対して処方されるPDE-5阻害薬などの処方も検討されることがあります。
手術治療
精索静脈瘤がある場合や、精子の通り道が塞がってしまっている場合などには手術治療が検討されます。
無精子症の患者さんでは直接精巣を切開し組織内から精子を探し出す、精巣内精子採取術を行うこともあります。精巣内精子採取術は2022年4月より保険適用となっています。
人工授精・生殖補助医療
洗浄した精液を子宮内へ注入する人工授精、卵巣から直接卵を採取し、精子をふりかける体外受精、精子を卵内に注入する顕微受精があり、特に体外受精と顕微受精は生殖補助医療といわれます。男性不妊の場合、無精子症の患者さんでは前述した精巣内精子採取術を行いますが、採取した精子は顕微授精に用いられます。
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