疾患啓発(スポンサード)

不妊治療の高度生殖医療(生殖補助医療)について

不妊治療の高度生殖医療(生殖補助医療)について
河村 寿宏 先生

田園都市レディースクリニック 理事長、東京医科歯科大学臨床教授

河村 寿宏 先生

不妊治療での妊娠率は、排卵日のタイミングを計るタイミング法では周期あたり5%未満といわれています。また、体外受精などの高度生殖医療(生殖補助医療)であれば、一般的にこれを大きく上回る妊娠率となっています。しかし、高度生殖医療(生殖補助医療)においても、年齢が低い方のほうが妊娠の可能性が高くなるため、特に高年齢(30代後半以降)になってきている方は、早めの治療が望まれます。

今回は、田園都市レディースクリニック理事長の河村寿宏先生に、不妊治療で妊娠する確率についてお話いただきました。

不妊治療で妊娠する確率は?

不妊治療の種類により、妊娠する確率は異なります。たとえば、1年以上自然妊娠しなかった夫婦がタイミング法により妊娠する確率は毎月5%未満といわれています。また、人工授精の場合は、数%~10%とされております。

一方、日本産科婦人科学会から報告された2015年の全国統計によると、胚移植あたりの妊娠率は、新鮮胚移植の場合、体外受精で22.6%、顕微授精で18.9%、凍結胚の場合、33.2%となっています。採卵したその周期に新鮮胚ですぐ移植するより、凍結胚を採卵の翌周期以降に移植するほうが、妊娠率は高くなります。

不妊治療の現状―治療周期数と年齢の関係

体外受精に代表される高度生殖医療(生殖補助医療)は不妊治療の中でも、比較的妊娠成立の確率が高い方法です。しかし、高度生殖医療(生殖補助医療)の妊娠率を年齢別にみてみると、34歳以下と40歳以上では成功率に大きな差があります。実際に、34歳以下で体外受精を行った場合の妊娠率は、日本産科婦人科学会の全国統計では、胚移植あたり約40%前後であるのに対し、40歳以上では10%台~20%強にとどまります。

artでの妊娠率
日本産科婦人科学会より
 

体外受精で採卵を行う方のピーク年齢は40歳ですが、そのうち胚移植の段階まで行ける方のピーク年齢は39歳程度です。卵子を採取できても、子宮に胚移植できない方は多くいらっしゃいますし、胚移植することができても妊娠が成立するケースは、どうしても年齢が若いカップルに傾いてしまうというのが現状です。

ART治療周期 
日本産科婦人科学会より

卵子提供による妊娠率

不妊治療の一つに卵子提供があります。卵子提供とは、第三者であるドナーから卵子の提供をうけるというものです。ドナーの卵子と夫の精子を体外受精で受精させ、胚を妻の子宮に移植します。日本では卵子提供は原則的には行われていません。例外として最近、ターナー症候群や、病気で卵子が無くなった方に対して卵子提供が始まったようです。この場合も高年齢が不妊原因となっている方への卵子提供は認められていません。

一方でアメリカ等では近年すでに卵子提供による不妊治療が行われています。

とはいえ、体外受精を行っている夫婦のうち、年齢が若い夫婦はあえてドナー卵子を使うことはありません。通常、ドナー卵子を使うことが増えるのは、年齢が30代後半以降の夫婦です。

卵子提供では文字通り他者の卵子を使って体外受精を行いますが、ご本人が高齢で、若い方から卵子を提供された場合の妊娠率は次のグラフの通りです。

不妊症
米国ARTにおける自己卵、提供卵別出生率(CDC報告より)

このように、提供卵の場合は高齢の方でも妊娠率がほとんど低下しません。裏を返せば、加齢に伴う妊娠率の低下の原因は、ほとんどが卵子の質の低下、特に染色体異常卵の割合の増加によるといえます。

精子提供について

卵子提供と同様に、第三者であるドナーから精子を提供してもらう精子提供も存在します。

日本では提供精子を用いた人工授精(AID)が50年以上前から一部の施設で行われております。この治療の実施には条件があり、原則的に無精子症の場合に限られます。また、現在では、精巣内精子を用いた顕微授精により妊娠可能となってきたため、最近はAIDの実施条件をさらに厳しくし、無精子症の中でも精巣内精子が存在しない場合、すなわちAID以外で子供を持つことが本当に不可能な方に限定されるようになってきております。

自然妊娠の確率―女性だけでなく男性の年齢にも左右される

男性の年齢が上昇するほど、女性が妊娠するまでに時間を要する

精液所見は、年齢が上昇するとともに低下していきます。そのため、男性の年齢が上がることにより、女性が妊娠に至るまでにも時間を要するようになります。20代の男性の場合、妊娠を望んでから、妊娠までの平均期間は半年程度です。しかし、30代以上になると10か月程度となり、40代半ばになると1年半以上、50代の男性になると2年半以上になります。

不妊症
男性の年齢と女性が妊娠するまでの期間(出典:Human Reproduction Update)

上のグラフから、男性の年齢が上昇しても、女性が妊娠するまでの期間は長くなるということがわかります。

男性の年齢と流産率の関係

男性の年齢の上昇と流産率は、女性と同様に関係しています。以下のグラフに示されているように、男性の加齢に伴い、流産率は上昇していくということがわかります。

不妊症
男性の年齢と女性の流産率(出典:Human Reproduction Update)

 

なお、受診を決めている方は以下予約専用ダイヤルにてお問い合わせいただけます。

≪田園都市レディースクリニック予約専用ダイヤル≫

受付時間:月〜金:9:00〜18:00 、土:9:00〜17:00 、日:休診

045-988-1124

  • 初診の方もこちらのお電話でご予約いただくことが可能です。
  • お問合わせの際はメディカルノートのこちらの記事を見た、とお伝えいただくとスムーズです。