しょうこうせいだつもうしょう

症候性脱毛症

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

症候性脱毛症とは、何らかの病気が原因で生じる脱毛症のことです。いわゆる加齢による薄毛や、自己免疫反応によると考えられている円形脱毛症とは異なり、脱毛以外にも原因となる病気によるさまざまな症状が現れるのが特徴です。脱毛に悩んで病院を受診し、原因となる病気が発見されるというケースも珍しくありません。

人の毛の発毛から脱毛までの周期を毛周期といい、成長期、退行期、休止期というサイクルを繰り返します。成長期にはタンパク質から毛が作られ、毛がどんどん伸びていきます。一方、退行期には毛の成長が止まり、休止期に突入して古くなった毛が抜け落ちるのです。

この毛周期に異常が生じて休止期が延長したり、成長期が短縮したりすると、脱毛症に進行することがありますが、主にホルモンバランスの異常や栄養障害、皮膚病、薬の副作用などの原因が挙げられます。

一般的には、原因となる病気が治れば脱毛症も改善しますが、毛のもととなる毛母細胞にダメージが加わったケースでは新しい毛が永久的に生えてこないケースもあります。

原因

脱毛症は毛周期の成長期が短くなったり、休止期が長くなったりすることで生じますが、症候性脱毛症は何らかの病気が原因となって毛周期の乱れが引き起こされます。原因となる病気はさまざまですが、代表的なものは以下の通りです。

ホルモンの異常

人の体には、さまざまなホルモンが存在しますが、そのなかでも甲状腺ホルモンは新陳代謝を促すはたらきがあります。このため、甲状腺ホルモンが低下する橋本病などでは、毛のもととなる毛母細胞の新陳代謝が低くなり、休止期が延長することで脱毛症が生じやすくなります。

また、妊娠による女性ホルモンの変化も脱毛症につながることがあります。女性ホルモンは通常、毛の維持を促す効果があります。このため、妊娠中に増加した女性ホルモンによって、本来なら退行期や休止期に突入するはずの毛が成長期のまま保たれ、出産後に女性ホルモンが減少すると、その古くなった毛が一気に退行期や休止期に突入して抜け落ちることがあります。一気に毛が抜け落ちるため、しばしば産後の脱毛症と捉えられます。

栄養障害

毛は体内のさまざまな栄養素を取り入れて作られます。このため、極端に栄養が不足している人は脱毛症になりやすいとされています。

特に重要な栄養素は、たんぱく質、ヨウ素、亜鉛、ビタミン類ですが、神経性食思不振症やがんなどで胃腸にダメージが加わっている状態の人に発症しやすい傾向にあります。

皮膚の病気

アトピー性皮膚炎脂漏性皮膚炎などの、皮膚に炎症を生じる病気でも脱毛が生じることがあります。これは、強いかゆみが生じて頭皮を始めとした皮膚を掻きむしったり、皮膚に炎症が生じたりすると、その部位の毛根にダメージを与えて成長期を短くすることが原因のひとつと考えられています。

薬の副作用

抗がん剤を始めとした薬のなかには、毛根を長く休止期にとどまらせる副作用を持つものがあり、これらを服用すると脱毛症を引き起こします。

その他

その他の原因として、精神的なストレスなどによって生じる抜毛症があります。これは、自分で自分の髪の毛を抜くことを繰り返す病気です。一般的には精神的なケアで抜毛症が改善すると新しい毛が生えますが、抜毛を繰り返すことで毛根に過度なダメージが与えられると永久的に毛が生えないこともあります。

また、皮膚に深い外傷や重度な熱傷が生じると毛根に強いダメージが加わって発毛能力を失い、脱毛症を引き起こすことがあります。

症状

症候性脱毛症の症状は、その名の通り、毛が抜けることです。しかし、症状の現れ方は原因により異なります。

ホルモンの異常や栄養障害、薬の副作用が原因の場合は髪の毛を含めた全身の毛が脱毛しやすくなり、皮膚の病気や外傷熱傷が原因の場合にはその病変部位のみが脱毛を生じます。

脱毛症で主に問題となるのは髪の毛であり、外見にも影響が出ることから、患者さんに大きな精神的ダメージを与えることがあります。髪の毛に生じる脱毛症は、完全にその部位の毛が生えてこないこともあれば、薄毛の状態であったり、長い髪と短い髪が入り交ざった状態であったりすることもあり、そのパターンはさまざまです。

症候性脱毛症の場合には、その原因となる病気の症状も現れます。脱毛を生じやすい橋本病をはじめとした甲状腺機能低下症では、倦怠感や太りやすさ、眠気などの症状が現れます。また、眉毛の外側に脱毛が生じやすいのが特徴です。

検査・診断

脱毛症をきっかけに病院を受診すると、血液検査がおこなわれます。これは、ホルモン量や栄養状態などを確認するために行われます。

また、原因として疑われる病気に合わせて、超音波検査やCT検査といった画像検査が行われる場合もあります。さらに、診察を行うときには、生活習慣や服薬内容などの問診が丁寧に行われるでしょう。

治療

基本的に、脱毛症に対する治療は行われず、内科や外科などで原因となる病気の治療が優先して行われます。多くは原因となる病気が快方に向かえば脱毛症も改善しますが、なかには改善までに時間がかかる、永久的に毛が生えない、といったケースもあります。

体毛の脱毛では特に問題となることはありませんが、髪の毛の脱毛が著しい場合には、見た目の改善のために医療用カツラや植毛を行うことがあります。

また、小児に多いとされる抜毛症は大きなストレスが原因となっていることが多いため、精神科や心療内科で精神的なアプローチによる治療が必要になることもあります。

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