もうまくはくり

網膜剥離

最終更新日:
2021年12月03日
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2021/12/03
更新しました
2017/04/25
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概要

眼球内の光を感じる組織を網膜と呼びます。健常な網膜は眼球の裏側に張り付いています。内張としての網膜が眼球壁からはがれる病態を網膜剥離(もうまくはくり)と呼びます。本来あるべきところから離れた網膜は栄養が不足してはたらきが悪くなるために、視野が欠けたり視力が落ちたり見えにくくなります。網膜剥離を治すためには手術が必要です。ほとんどの網膜剥離は治すことができます。

原因

網膜に破れ目や裂孔(れっこう)ができることが網膜剥離の原因になります。裂孔ができる原因には加齢、外傷などが挙げられます。裂孔を原因とする網膜剥離を放置すると網膜全体が剥離して、完全な失明につながります。もともと網膜に弱い部位があれば若年者でも網膜剥離を起こすことがあります。

裂孔を伴わない非裂孔原性網膜剥離もあります。眼球内の腫瘍(しゅよう)や炎症、高血圧糖尿病などがその原因となります。

症状

網膜剥離の初期症状は飛蚊症(ひぶんしょう)と光視症です。

飛蚊症とは視野にゴミや蚊のような影が見える症状のことで、特に明るい背景で物を見ている場合や、青空、白い壁などを見た時に経験しやすいものです。

光視症とは目を動かしたときに、視野のまわりに一瞬光が走るような感覚が生じるものです。飛蚊症や光視症があるからといって網膜剥離とは限りません。近視や加齢などのために飛蚊症や光視症が出てくることがほとんどです。飛蚊症や光視症があっても網膜剥離になる人は1万人に1人と報告されていますので極端に心配する必要はありません。しかし、異常を感じたら眼科医の診察を受けましょう。

網膜剥離が進行して網膜の中心部が障害されると視力が悪くなり、メガネを使用しても改善しません。下方の網膜がはがれると上方の視野が欠け、上方の網膜が剥離を起こすと下方の視野が欠けます。

検査・診断

網膜は眼球の奥にありますので、網膜剥離を診断するために眼球の奥を調べる眼底検査を行います。

眼底検査では瞳孔から光を入れて眼底鏡と呼ばれる装置で網膜の様子を観察します。網膜をよく観察するために、散瞳薬と呼ばれる瞳孔を拡大する目薬を使います。網膜剥離の状態を記録するために眼底写真も撮ります。

眼内に出血して眼底がよく見えない場合は、超音波を使った検査を行います。

治療

網膜剥離の治療は手術が中心となります。治療の原理は網膜裂孔の周囲を冷凍するかレーザーを照射してやけどを作り、瘢痕化(はんこんか)(やけどなどが治ったあとに残る傷あとの状態)させることです。裂孔周囲の瘢痕化が進んで網膜と周囲組織が癒着すると網膜は眼球の裏側にもう一度張り付きます。

非裂孔原性網膜剥離では、原因となっている腫瘍や糖尿病など、原因疾患の治療を行います。

手術

術式には強膜バックル術(強膜内陥術)と硝子体手術の2つの方法があります。強膜バックル術は、眼球の外側にある強膜にシリコンスポンジを縫い付けると同時に、原因となっている網膜の裂孔周囲に眼外から冷凍凝固を行います。

硝子体手術は、眼内に器具を挿入して網膜裂孔の原因となっている硝子体を切除します。眼内から網膜の裂孔周囲にレーザー凝固を行います。

どちらの手術が行われるかは、裂孔の位置や大きさ、眼内の出血の有無、ほかの病気の有無などによって決まります。どちらの術式を選んでも術後しばらくは網膜の癒着を促すために頭の向きを一定に保ちます。

網膜に裂孔があっても網膜剥離に至っていない場合には、網膜にレーザー光線を照射して網膜剥離を予防します。

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