治療
腎不全の治療方法は、種類によって次のように大きく異なります。
急性腎不全
急性腎不全の治療は、原因となっている病気の治療と腎不全による症状を改善する治療を並行して行っていくのが基本です。
原因となる病気の治療としては、脱水に対する点滴治療、腎炎に対する薬物療法、詰まった尿の通路を開通させるためのカテーテル挿入などが挙げられます。一方、腎不全の症状を改善するための治療としては、むくみを予防するための塩分・タンパク質制限を主体として食事療法や水分制限、尿量を増やすための利尿剤などを用いた薬物療法が行われます。
また、腎機能が著しく低下している場合には、体内の過剰な水分や老廃物を除去するための血液浄化療法が一時的に行われることもあります。
ただし、これらの治療により腎臓が改善する、あるいは改善しても元どおりの機能まで改善するとは限らず、慢性腎不全に至ることがあります。血液浄化療法が永続的に必要となることもあります。
慢性腎不全
慢性腎不全の治療は、腎機能のさらなる低下を防ぐことが主な目的となります。
そのためには、腎炎に対するステロイドなどの薬物療法、血圧の管理や塩分やタンパク質、カリウムやリンなどの電解質と水分を制限する食事療法が行われます。
また腎不全の進行によりむくみがある場合は尿量を増やす利尿剤を用いたり、カリウムやリンなどの異常がある場合はそれらを下げる薬を使ったりします。貧血が起こっている場合はエリスロポエチン製剤の注射が必要でしたが、HIF-PH阻害薬という新たな飲み薬が使用できるようになりました。
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