こうぷろらくちんけっしょう

高プロラクチン血症

最終更新日:
2022年08月08日
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2022/08/08
更新しました
2017/04/25
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原因

高プロラクチン血症の原因は、大きく“生理的要因”“病的要因”“薬の副作用”の3つに分けられます。

生理的要因

血中プロラクチン値は、妊娠、授乳、乳房刺激によって上昇するほか、睡眠や運動、食事(飲水含む)、精神的ストレスなども影響するといわれています。

妊娠中は高濃度の女性ホルモンによって、乳腺細胞でのプロラクチン受容体発現が抑制され通常母乳は分泌されませんが、分娩後に胎盤がはがれ血中の女性ホルモンが急激に低下し、高プロラクチンの状態になると、作用が発揮され乳汁が分泌されます。

病的要因

病的要因としてもっとも多いのがプロラクチノーマとされ、高プロラクチン血症の原因のうち約3割をプロラクチノーマが占めています。

プロラクチノーマは下垂体にできる良性の腫瘍で、何らかの原因によってプロラクチンを作る細胞が増加して腫瘍ができると、腫瘍から大量のプロラクチンが作られるため、血中プロラクチン値が正常上限の2~3倍上昇(血中PRL値が200g/ml以上)することがあるため、精査が必要です。

ほかにも、比較的頻度の高い病気として以下が挙げられます。

原発性甲状腺機能低下症では血中PRL値は100ng/mL以下にとどまることが多いです。

比較的まれですが、以下の病気が原因となることもあります。

薬の副作用

プロラクチンの分泌はドパミンという物質によって抑制を受けているため、ドパミン受容体拮抗薬やドパミン合成阻害薬などによってドパミンが少なくなると、薬の副作用として高プロラクチン血症が起こることがあります。また、セロトニンの作用を促す抗うつ薬などでも高プロラクチン血症が起こります。

高プロラクチン血症の原因となる主な薬には以下が挙げられます。

  • 抗精神病薬(フェノチアジン系[クロルプロマジン・ペルフェナジン・チオリダジン]、ブチロフェノン系[ハロペリドール])
  • 抗うつ薬(アミトリプチリン、イミプラミン)
  • 消化器治療薬(スルピリド、シメチジン、メトクロプラミド)
  • 血圧降下薬(レセルピン、メチルドーパ)
  • エストロゲン製剤(経口避妊薬など)

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