治療
小児鼠径ヘルニア
小児の鼠径ヘルニアは解剖学的な問題のため、基本的に生後4か月以降はほとんど自然治癒しません。また、薬で治すこともできません。程度や症状次第で経過観察する場合もありますが、治療の原則は手術となります。
現在主流となっている手術方法として、鼠径部を約2cm切開して行う鼠径部切開法と、腹腔内に内視鏡の1種である腹腔鏡を挿入して行う腹腔鏡下修復術があります。いずれの場合も鼠径部に飛び出している腹膜鞘状突起を根本でしばることで治癒します。再発率は0.5%程度といわれています。再発した場合は再手術が必要となります。
大人の鼠径ヘルニア
大人の鼠径ヘルニアは鼠径部の腹壁が脆弱化して発生するため、治療の原則は手術となります。小児と異なり、腹膜鞘状突起をしばるだけでは治癒させることはできません。小児と同様に2種類の手術方法があり、鼠径部を約3〜4cm切開して行う鼠径部切開法と、腹腔鏡下修復術があります。
いずれの場合も一般的にメッシュ(人工の膜)で孔を塞ぐ方法がとられ、脱出した内臓をお腹の中に戻した後に腹壁の孔をメッシュで塞ぎ、脆弱な腹壁の補強を行って臓器が脱出しないようにします。
メッシュは体内に残りますが、特に害はありません。ただし、まれにメッシュが感染を起こすことがあり、この場合には感染したメッシュを取り除く必要があります。
また、メッシュが劣化するなどして再発することもあります。その頻度は一般的に数%といわれ、再発した場合には再手術が必要となります。
実績のある医師
周辺で鼠径ヘルニアの実績がある医師
大森赤十字病院 外科(下部消化管)部長

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