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IgG4関連疾患

目次

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概要

IgG4関連疾患とは、免疫異常や血中IgG4高値に加え、膵臓(すいぞう)や唾液腺、涙腺などの全身各種臓器にリンパ球やIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤と線維化により、臓器の腫大(しゅだい)や結節・肥厚性病変などを認める原因不明の病気です。病名に見られる「IgG4」とは、白血球の一種類である「形質細胞」から産生分泌される抗体です。IgG4関連疾患では、IgG4を作る形質細胞が全身各種臓器において浸潤しており、血液中のIgG4も異常に上昇しています。

IgG4関連疾患は難病指定を受けている病気の一つであり、およそ1〜2万人の患者さんがいらっしゃることが推定されています。

眼の乾きや口腔内乾燥、喘息(ぜんそく)症状や糖尿病、腎機能障害などIgG4関連疾患の症状は多岐に渡り、同時にこれらの症状を見ることもあれば、時期をおいて別の症状が出現することもあります。ステロイドによる治療が基本であり、長期的な管理が必要とされる病気です。

原因

IgG4関連疾患とは、全身の各種臓器にIgG4を作る形質細胞が浸潤しており、血液中のIgG4が異常に高くなっている病気を指します。どういった原因をきっかけとして、こうした反応が生じているのかは明らかになっていませんが、自己免疫性疾患の一つであると考えられています。

私たちの体には病原菌などをやっつける「抗体」というものがあります。抗体の主な成分が免疫グロブリンというタンパクであり、IgG・IgA・IgM・IgD・IgEの5種類によって構成されています。そのなかでも、血液中にもっとも多く含まれるのがIgGです。さらに、IgGは4種類のタイプに分かれており、IgG1からIgG4まで番号が振られています。通常は、血液中に存在する量は番号順にIgG1がもっとも数が多く、IgG4は一番数が少ないですが、IgG4関連疾患では、その数がぐんと増えます。

IgG4関連疾患によって炎症が生じる臓器は、全身各種に広がります。唾液腺や涙腺に浸潤が見られることが多く、そのほかにも膵臓()、腎臓、胆管、肺、前立腺、リンパ節、脳の一部である下垂体などを例に挙げることができます。これらの組織においてIgG4産生形質細胞が浸潤しており塊を作ることから、臓器毎に特徴的な症状を引き起こすことになります。

症状

IgG4関連疾患では、全身各種臓器に症状が出現します。唾液を作る耳下腺や顎下腺といった唾液腺に障害が生じると、唾液腺の()れや口腔内の乾燥を見ます。涙腺に関連した症状が生じることもあり、この場合はドライアイを自覚します。

IgG4関連疾患では、自己免疫性膵炎(じこめんえきせいすいえん)を発症することもあります。自己免疫性膵炎では閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)、上腹部の違和感や背部痛、倦怠感(けんたいかん)、体重減少、糖尿病コントロールの急激な悪化などの症状を見ます。

肺に病変が生じると、咳や息切れを起こすこともあります。腎臓に病変が生じると、腎機能障害を起こすことになります。

脳には下垂体と呼ばれる組織がありますが、下垂体からは多くのホルモンが分泌されています。下垂体にIgG4関連疾患の病変が生じる場合には、視野狭窄(きょうさく)、疲れやすい、食欲不振、脱毛、血圧低下など、障害を受けるホルモンに応じた症状が出現します。

検査・診断

IgG4関連疾患に関しては、2011年に日本で作成された診断基準をもとにして診断がされます。具体的に記載されている診断基準として、①1つもしくは複数の臓器で腫れた部分がある、②血液検査にてIgG4の異常高値を認める、③病気が生じている組織の検体を採取し、顕微鏡的に形質細胞などの細胞浸潤と、組織が硬く線維化を起こしていることを確認する、の三つの項目があります。これらのことを確認するために、血液検査(IgG4の検索以外にも、類似疾患除外のための検査項目も検討されます)や画像検査(造影CTやMRI、ガリウムシンチグラフィー、アイソトープ検査など)、生検といった検査が行われることになります。

治療

IgG4関連疾患の治療の基本は、ステロイドの使用になります。IgG4関連疾患におけるステロイドの反応性は非常によく、多くの患者さんにおいて治療効果を期待することが可能です。ステロイドの中でも「プレドニゾロン」と呼ばれるものを使用して、初期治療を開始することになります。

しかし、ステロイド薬を減らしたり休薬したりするとかなり再発率の高い病気であるというのが現状です。

長期間のステロイド使用には副作用も懸念されることから、可能な限りステロイドからの離脱を図るような治療も検討されています。今後こうした治療法も適切に使用できるよう、より一層の働きかけが必要であると考えられています。