江東区大島にある江東病院は1955(昭和30)年の開設以来、地域に根ざした診療を続けてきました。小児救急を担う休日夜間診療医療施設であり、東京都災害拠点病院の指定も受ける同院の役割や今後について、病院長である梶原 一 先生に伺いました。
当院は1955年、戦災で焼失した三菱製鋼株式会社の企業内診療所を復興する際、地域にも開かれた病院として設立されました。順天堂大学の協力のもとに診療体制を整え、当初150床ほどだった病床数は現在286床を有するまでになりました(急性期病棟256床/回復期リハビリテーション病棟30床)。現在は順天堂大学をはじめ昭和医科大学、帝京大学の応援も仰ぎ、よりいっそう充実した医療をご提供するべく環境整備に努めています。
当院の周辺には昭和の時代に建てられた団地が建ち並び、他の地域と同様に着実に高齢化が進んでいます。来院患者さんもご高齢の割合が大きく、単身で暮らす高齢患者さんに対するきめ細かなサポートが求められるようになりました。当院では内科・外科を問わず幅広い診療を行うことで患者さんの健康寿命を延ばすお手伝いをさせていただくとともに、二次救急医療機関としての役割を担うことにより、地域にお住まいの方々の暮らしと健康をしっかりと支えてまいります。
当院では24時間365日、小児診療に対応しています。救急診療では内科・外科・整形外科・小児科の医師が休日・夜間も常駐し、緊急性・重症度の高い患者さんの受け入れを行っています。
24時間365日体制で小児診療を行っていることは当院ならではの特徴であり、救急患者さんも小児の割合が大きいです。救急車で運ばれてくるケース、かかりつけ医の紹介によって受診するケースともに、小児診療の症例数は江東区でもかなり多いのではないかと思います。少子高齢化が叫ばれるなか、未来を担う子どもたちの命と健康を守っていくことも当院の大きな使命だと考えています。
当院が開設された1955年当時、江東区の東部エリアには基幹的な病院といえる医療機関がなかったと聞きます。地域の医療ニーズに応えることは開設当初からの使命であり、今も日々診療提供体制の充実に努めています。1人でいくつもの病気を抱えている高齢の患者さんや、「何科にかかったらよいかな?」と迷ってしまうような患者さんは、総合診療科にて対応させていただきますのでご相談ください。
内科についても、それぞれの専門領域ごとに診療体制を整え、患者さんの状態に応じた診療を行える体制としています。ご高齢の方に多くみられる心不全などの治療にあたる循環器内科、血液浄化センターを有する腎臓内科、コロナ禍では精力的に肺炎診療を行った呼吸器内科、さらに消化器内科/外科が連携して治療にあたる消化器センターを設置するなど、さまざまな病気に適切に対応できる体制を整えています。
また近年は多職種連携にも力を入れており、循環器内科では心不全チームを立ち上げ、生活指導を含めた継続的な診療につなげています。
私の専門が整形外科ということもあり、整形外科診療を通じた健康維持・増進といった部分にも力を入れています。整形外科部長を務めている奥田 貴俊先生は脊椎外科が専門であり、ご高齢の方に多くみられる腰部脊柱管狭窄症などに対する専門的な診療を行うことが可能です。
ご高齢の方に多くみられる大腿骨骨折や脊椎椎体骨折は、骨粗鬆症に起因していることが多いです。これら脆弱性骨折は患者さんのADL(日常生活動作)低下を招きますので、手術が適応になると判断した場合は積極的に手術を行い、早期にリハビリテーションを開始することによって1日でも早く元の生活に戻れるようサポートしています。
加えて、当院では骨粗しょう症外来を設け、地域の医療機関と連携しながら予防と治療の両面で支援しています。大腿骨骨折などはその後の生活に大きな影響を及ぼすことがあるため、検査による早期発見に努めるとともに、薬物療法や生活習慣へのアドバイスを組み合わせ、骨折予防につなげています。
当院は開設からこれまで江東地区の中核的な病院としての役割を担い、一般的な病気やけがの診療にあたる一方で、二次救急医療機関として休日・夜間の診療も行っています。また東京都災害拠点病院でもある当院は、災害時の医療体制整備にも取り組んでおり、大規模災害発生時には重症患者の受け入れや広域搬送への対応を担うほか、医療救護班の派遣などを通じて地域の医療を支える役割を果たします。
こうして時代の変化や地域の医療ニーズに即して診療提供体制を適宜見直すなかで、新たな取り組みも始まっています。一例として、泌尿器科では尿道狭窄に対する専門外来を開設しましたのでお気軽にご相談ください。
当院は都営新宿線の大島駅から徒歩1分と非常にアクセスがよく、JR亀戸駅からバスでお越しいただくことも可能です。来院される患者さんは区内の大島、砂町、亀戸エリアを中心に、お隣の江戸川区から足を運んでくださる方も少なくありません。当院を頼りにしてくださる患者さんのため、専門的な診療を行う内科、患者さんへの負担の少ない手術を行う外科が連携し、安全で質の高い医療の提供を目指しています。
今後は地域の医療機関との連携をさらに強化し、よりきめ細やかなサポートができる体制を整えてまいります。地域にお住まいの方々に「ここに来れば安心できる」と思っていただけるよう、精いっぱい取り組んでまいりますので、何かお困りのときには遠慮なくご相談ください。
*病床数、医師、提供する医療の内容などについての情報は全て、2026年4月時点のものです。
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