性感染症の再発防止を考える上で、パートナーとの関係性は非常に重要になります。淋菌やクラミジアなどの性感染症は症状に乏しく、知らないうちにパートナーに感染させている可能性があります。一方、その性感染症がパートナーから感染させられている可能性もあります。
投薬治療を行い治癒を確認したにも関わらず、再感染する患者が少なからず存在します。この場合は、パートナーがすでに性感染症に感染しているという可能性が強く疑われ、パートナーの検査は非常に重要と言えます。
実際に性感染症になった患者さんは、性感染症が性行為を介する感染なのでパートナーには感染した事実を隠してしまいがちです。また、症状が乏しいとパートナーが積極的な受診をしないという事が多くあり、パートナーの受診率は低くなっています。また、性行動の多様化によってオーラルセックスによる感染などもあり、咽頭のみ感染しているという症例も多く見受けられます。
私のクリニックでの実際の印象では、感染者のパートナーの受診率は約30%で、その中で実際に感染している人の確率は約30%です。もしも感染してしまった場合はパートナーにきちんと告白し、一緒に検査を受け、再発が起きないように気をつけましょう。そして、しっかりと感染を予防しましょう。
もしも性感染症に感染してしまった場合、パートナーのことを考えると頭の中は真っ白、パニック状態になってしまう方も多いでしょう。でもパートナーはあなたにとって非常に大切な方ですから、検査を受けて安心するようにしましょう。
病気は症状が出れば治療に結びつきますが、症状が乏しかったり症状が全く出ない場合があります。そのためあなたの大切なパートナーにも検査を受けていただき、安心できるようにしましょう。そしてお互いに異常がないことを確認し、健康なセックスができることを目標にしましょう。
もしあなたと同時にあなたのパートナーが感染していたら、感染した本人だけ治療してもまたあなたが感染する(ピンポン感染)可能性があります。もしパートナーが感染していたら、ピンポン感染を防ぐ意味であなたと同時進行の治療をするようにしましょう。
そうすれば精神的にも楽になるはずです。逆にもしパートナーが感染していてそのことを自分に伝えられなかったとしたら、あなたは「パートナーから大切に思われていない」と感じ、とても悲しい気持ちになるはずです。また、もしあなたがパートナーから告白された側ならば、大きな心を持って告白したパートナーを責めることはせず、健康なセックスができることを目標として専門医を受診してください。
繰り返しとなりますが、あなたがパートナーを愛しているのであれば、真実を伝えることは非常に大切なことです。
パートナーに病気になっていることを知らせないで放置していると、不妊症につながる精巣や卵管の病気になってしまい将来子供ができなくなるかもしれません。あなたの悩みがパートナーの悩みにならないように、ふたりとも健康になり「愛のあるセックス」を心がけましょう。
一番肝心なことは「放置しないこと」です。大事なことは「過去」ではなくふたりの「未来」なのです!
性感染症は知らず知らずに家庭内に侵入し「家庭内の不和」を招いてしまうかもしれません。
また、もし何かの性感染症にかかっていると、HIVに数倍感染しやすいことも忘れないでください。
『私の悩みは、あなたの悩み』と考え、パートナーとふたりで一緒に悩みましょう。そしてお互いに健康になり、健康なセックスをしましょう。
プライベートケアクリニック東京 院長
尾上 泰彦 先生の所属医療機関
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