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インタビュー

公開日 : 2015 年 10 月 12 日
更新日 : 2017 年 09 月 28 日

フォンタン手術とは。ひとつの心室に対する手術

先天性心疾患にはふたつの心室が残っている場合(二心室)とひとつの心室しか残っていない場合(単心室)の二通りがあります。二心室の場合は、ふたつの心室を使った正常の直列循環を作っていける可能性が高く、それを目指した手術を施します。単心室の場合は、ひとつの心室で直列循環(『先天性心疾患とは? 子どもが生まれ付き持ってしまった心臓の病気』参照)をつくらなければいけません。この、ひとつの心室で直列循環をつくる手術を、フォンタン手術といいます。直列循環をつくるということで、根治手術と呼べます。

単心室の代表は三尖弁閉鎖症や左心低形成症候群などです。肺動脈バンディングやブラロック・タウジッヒシャントといった準備のための姑息手術を行った後、諸条件が整ったら、フォンタン手術に至ります。

では、フォンタン手術とは具体的にどのような手術なのでしょうか。フォンタン手術をこれまで数多く執刀してきた大阪医科大学附属病院小児心臓血管外科診療科長の根本慎太郎先生にお話頂きました。

フォンタン手術とはどのような手術?

たとえば心室がひとつしかないお子さんは、酸素がたくさんの動脈血と、酸素が少ない静脈血がひとつの心室内で混ざりあってしまい、チアノーゼ状態になってしまいます。

そのような単心室(心室がひとつしかない状態)の心臓を持って生まれてきた赤ちゃんに対する手術の最終到達点として、フォンタン手術があります。

フォンタン手術とは、全身から心臓に戻ってくる静脈血を、上大静脈は直接、そして下大静脈は人工血管を通して、肺動脈に流す手術です。右心室の働きがないため、“右心バイパス術”とも呼ばれます。肺から戻ってきた、酸素を十分に蓄えた動脈血は心室を通り大動脈へと全身に送られるため、チアノーゼ(顔色や皮膚、指先、唇などが紫色に変色し、血液が酸素不足になる状態)はなくなります。

フォンタン手術と術後の流れ

フォンタン手術適応の条件

ただし、フォンタン手術を受けるにはいくつかの条件があります。肺に血液が十分に流れやすい状態であること、そしてひとつしかない心室の機能が十分であることが要点です。それらがそろって初めてフォンタン手術を受けることが可能になります。

右心室というポンプのない状況で肺に静脈血が流れるためには、先にある肺動脈が、広く大きな川のように滞りなく流れるように調整がされていなければなりません。

正常な心臓の場合、血液を両方の心室で循環させますが、単心室の子の場合は、ひとつの心室で循環させます。そのため、唯一残った心室が、ふたつ分の力を出せるほどに力強く動いている必要があります。これは口で言うのは簡単ですが、実際は非常に難解な条件です。ですからフォンタン手術はそこにたどり着くまでのハードルが高く、受けられる人も限られてきます。

つまり、肺動脈の条件を徹底的に整えなければならないのです。そのために姑息手術(『先天性心疾患の手術治療 姑息手術と根治手術について』を参照)や薬を使い、コンディションを万全にする必要があります。そこで初めてフォンタン手術ができるのです。

最近では、フォンタン手術が順調に受けられるように、赤ちゃんがお母さんのお腹のなかで先天性心疾患と診断がついたときから治療のスケジュールを立てていくようにしています。

それでも課題は残っており、治療コースがうまくいく子もいれば、姑息手術の中継地点で止まってしまっている子がいるという現実も直視しなければなりません。