院長インタビュー

内視鏡によるがんの早期発見・治療にとりくむ恵佑会第2病院

内視鏡によるがんの早期発見・治療にとりくむ恵佑会第2病院
高橋 宏明 先生

社会医療法人恵佑会第2病院 院長

高橋 宏明 先生

この記事の最終更新は2017年12月15日です。

北海道札幌市にある社会医療法人 恵佑会第2病院は、消化器内科におけるがんを中心とした疾患の内科的治療に特化した病院として、多くの実績を誇る病院です。

同院の理念や、注力している内視鏡検査・治療について、院長の高橋 宏明先生にお話を伺いました。

当院は、2012年に開院しました。入院病床数135床を有し、内視鏡による検査や治療を中心とした内科的治療に注力しています。札幌市内の患者さんを中心に診療を行っていますが、入院医療に関しては全道各地から患者さんが来院されます。

治療件数で多いのは、食道がん大腸ポリープ大腸がん胃がんの順です。

当院の属する、恵佑会グループの本院となる恵佑会札幌病院は、食道がんの外科手術において多くの実績をもつ病院です。ダ・ヴィンチ(手術支援ロボット)や放射線治療器などの設備を導入していることに加え、これまでの実績を支えてきたのは、何よりも「なんとか患者さんを治したい」という医師の熱い思いがあったからだと思っています。

当院では多くの早期食道がんに対する内視鏡治療を行っておりますが、まだまだほかの消化器と比べ症例数が多くありません。これは初期の食道がんは症状がほとんどなく、人間ドックなどを受けない限り発見が難しいためです。

胃がん検診で内視鏡検査を受けたところ、食道がんが見つかったというケースもあります。早期発見ができれば、内視鏡での治療も可能となりますので、50歳を過ぎたらぜひ一度は上部消化管内視鏡検査胃カメラ)や下部消化管内視鏡検査大腸カメラ)を受けていただきたいと思っています。

近年では、内視鏡機器が発達したこともあり、以前は見落とされてきたような早い段階の小さながんも診断できるようになりました。医療の世界は日進月歩で変わっていきますので、当院では、そうした最新の機器や診断治療の知識を持って診療にあたれるよう、心がけています。

当院では、さまざまな検査治療に対応していますが、各分野に1人は専門の医師を配置できるよう診療体制を組んでいます。

当院が早期がんの治療において強みとしているのは、内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)という技術です。

これは、専用の処置具を使い病変をはぎ取る方法で、適応となる病変の大きさに制限がほとんどないという特長があります。切り取られた病変は、最終的に顕微鏡で組織の様子が確認されます(病理検査)。

ESDでは大きな病変もひとかたまりで取ることが可能であるため、再発率が低く、病理検査でのより正確な診断にも役立つとされています。

このような内視鏡による治療は、患者さんの負担軽減や入院日数の短縮が期待できるなどのメリットもあり、治療件数は年々増えていると感じます。

2012年の開院の際には、患者さんはもちろん、スタッフが過ごしやすい環境をつくるため、新しく取り組んだことがいくつかあります。

患者さんの病室においては、医療安全や優れた療養環境の提供を目的に、AAR(Acuity Adaptable Room)病室として各病棟に特別室を8室設置しました。ケアスペースとなる入り口付近を広くとり、ドアの開閉時にファミリースペースが見えずプライバシーを保つことができます。

また、黄色、緑色、オレンジと、各フロアにテーマカラーをもたせ、患者さんやお見舞いにこられたご家族が院内で迷うことがないよう工夫をしております。

病院スタッフ向けには、子育てをするスタッフの就労サポートのため、2014年4月より院内保育所を設置しました。勤務時間内にも授乳やスキンシップができるため、職場復帰をしやすい環境になったのではないかと考えています。

私たちの病院が掲げる理念は、「自分の身内も含め、患者さん全員が安心して受診できる医療関係を目指す」ことです。当院には、患者さんの病気を何とか治したいという情熱を持ったメンバーがたくさんいます。常に患者さんの目線にたった診療を行い、患者さんが安心して受診できる病院をめざしてまいります。

また、引き続き、がんの内科的治療に注力し、この分野で地域のみなさまに貢献できるよう努めてまいります。

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