社会医療法人社団 カレスサッポロ 北光記念病院は、1986年に札幌市東区に開設されました。開設当時は「北光循環器病院」という個人病院でしたが、1996年に「医療法人社団 北光循環器病院」へと変わり、1998年には「医療法人社団 北光記念病院」へ名称を変更しました。2002年には「医療法人社団 カレスサッポロ 北光記念病院」となり、2008年7月には「社会医療法人」に認定、現在に至ります。
開院以来、循環器専門病院として高度な医療を提供してきた同院は、現在どのような取り組みを行っているのでしょうか。院長である櫻井 正之先生にお話を伺いました
当院は、不整脈や狭心症、心筋梗塞、弁膜症といった循環器疾患を専門に診療している病院です。循環器急性期特定病院として、24時間緊急治療が可能な体制を整えています。
循環器内科、心臓血管外科、放射線科のほか、腎臓内科や消化器内科の診療も行っており、心臓病を含めた生活習慣病の予防と治療にも対応しています。
患者さんは札幌市内在住の方がほとんどですが、函館や稚内、釧路、知床といった遠方からいらっしゃることも多くなっています。
昨今は、患者さんの高齢化が進んでおり、治療だけでなく生活面にも配慮したサポートを行っています。
2016年9月には、新しく地域包括ケア病棟を開設しました。急性期治療が終わった後の患者さんが治療とリハビリを継続し、最終的には住み慣れた自宅や施設に戻れることを目標としています。
この地域包括ケア病棟を活用し、急性期病棟だけではなかなか難しい、患者さん一人ひとりに配慮した医療ケアができればと思っています。
当院では、不整脈治療に特に力を入れています。私が当院に赴任した当時、北海道には不整脈を専門で診られる医療機関が多くありませんでした。そのような背景があり「ほかの地域と同じ医療を道民の方々も受けられるようにしたい」という思いのもと、不整脈をはじめとした循環器治療を当院で始めました。
治療内容としては、不整脈の根治治療法であるカテーテルアブレーションや、ペースメーカー・ICD(植込み型除細動器)の植え込みと管理などがメインです。循環器内科で不整脈部門の部長を務める四倉昭彦医師をはじめとした、高いスキルを持つ担当医が治療にあたっています。
ペースメーカーやICDに関しては、「ICD・ペースメーカーセンター」という専門センターを開設しています。植え込み手術やその後のフォローまで、専門知識・技術を持つスタッフによるケアを受けることが可能です。他院で植え込み手術を行った患者さんのアフターフォローを依頼されることもあります。
ICDの植え込みをしている患者さんに対しては、作動したときにすぐに対応できるよう、24時間対応可能なホットラインを整備しています。
当院は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心臓病や、閉塞性動脈硬化症、腎動脈狭窄症といった疾患の治療を専門にしています。冠血管慢性完全閉塞に対してロータブレータという血管拡張術を行います。
また、虚血部門には「虚血センター」があります。
ここでは専門看護師が対応にあたっており、治療や検査に関する説明や、治療後の生活における注意点の説明などを行っています。
当院には心臓血管外科の専門知識・技術を持つ医師が在籍しており、弁膜症や冠動脈疾患、大動脈疾患などの手術を行っています。この心臓血管外科と循環器内科が密な連携をとり、きめ細かな対応ができることが、当院の強みです。
血管破裂などの緊急時には、当院の医師だけではすぐに対応できないこともあります。そういった事態に備えて、大学病院やその他関連病院とも連携しており、電話1本ですぐに移送依頼ができる体制を整えています。
当院では心臓リハビリテーションを行う施設を整備しており、心臓リハビリテーション指導士や呼吸療法認定士の資格を持ったスタッフによるケアを行っています。
ここでリハビリテーションを受けるのは、心筋梗塞の治療後や心臓手術後の患者さんです。手術後、早期からリハビリテーションを行うことで、体力の低下や合併症を予防することを目的としています。
当院は透析室を設けており、心臓の検査が必要な患者さんの受け入れを行っていることも特徴です。そのほか、緊急透析や維持透析の患者さんの受け入れも行っています。
当院の理想とする病院は、「垣根のない医療機関」です。将来的な構想としては、病院の規模を拡充し、診療科を増やし、初期臨床研修などを幅広く行える新病院をつくることを考えています。医療を学ぶ場としては、身体的なケアだけでなく、精神的な面も含めて、知識や技術を取得できる環境を整えたいと思っています。
当院では現在、専門医の育成に力を入れております。内科・外科の専門医資格を取得した医師が、当院で循環器内科や心臓血管外科の専門医資格を取得してくれれば、と思っています。
私が当院に来て約20年、さまざまな患者さんを診てきました。一人の患者さんを長く診療していると、病気の話だけではなく、生活の話など一人ひとりの個人的な背景を把握することが必要になってきます。
たとえば、患者さんが年齢を重ねてくると、認知症の影響などで必要な薬をきちんと飲めなくなってしまうこともあります。そこに対応するためには、家庭事情にも考慮しなければなりません。
ご高齢の患者さんにどのような治療をするかは、非常にデリケートで難しい問題だと思います。これまでも患者さんが希望されることにはできる限り対応してきましたが、今後はもっときめ細かいケアができるようにしたいと考えています。
患者さんにとって最適な医療サービスが提供できるように、これからも職員一同努力してまいります。
社会医療法人社団カレスサッポロ北光記念病院 院長
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現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。