院長インタビュー

医療・福祉・介護の三拍子がそろった地域医療を手がける天草慈恵病院

医療・福祉・介護の三拍子がそろった地域医療を手がける天草慈恵病院
宮﨑 德義 先生

天草慈恵病院 院長

宮﨑 德義 先生

目次
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この記事の最終更新は2018年11月14日です。

天草慈恵病院は、一貫グループが運営する急性期から在宅医療までを手がけている病院です。熊本県天草諸島の風光明媚な自然を一望できる同院では、医療・福祉・介護による総合的・複合的サービスの提供をつうじて、地域住民の皆さんの健やかで自分らしい生活のサポートを行っています。

病院長の宮﨑德義先生に、同院の特徴、診療体制、院内設備などについてお話を伺いました。

 

一貫グループ(天草慈恵病院よりご提供)

一貫グループは、1972年に設立された社会福祉法人慈永会と1988年12月に設立した稲穂会が、それぞれの医療資源の有効活用による医療・福祉・介護の充実を目的に締結した協定によって誕生しました。

グループ名の「一貫」は孔子の言葉である「一以貫之(一を以って之を貫く)」に由来するもので、相手への思いやりや公益を考えることが人としての理想像であるという意味があります。

この言葉が持つ重みと、当院の経営理念「地域の人々に対し予防から予後まで心のかよった包括的医療サービスを科学的かつ適正に行う。」を常に念頭に置いて、外来と入院による診療、リハビリテーション、各種在宅サービス、健康診断人間ドックなどを行っています。

 

病院受付(天草慈恵病院よりご提供)

回復期リハビリテーション病棟を2016年10月に開設しました。

この病棟は、脳卒中心筋梗塞といった喫緊の治療が必要な治療は終えたものの退院や社会復帰にはまだ早い方を受け入れて、引き続き治療を行ったり、加齢や入院生活によって低下したADL(日常生活動作)回復のためのリハビリを行ったりする患者さんの受皿として活躍しています。こうした機能を持つ病棟(病床)は、ポストアキュートと呼ばれることがあります。

もうひとつの地域包括ケア病棟とは、自宅などで療養されている患者さんの容態が急変した際の受け入れ先となる病棟のことで、こちらはサブアキュートと呼ばれます。

当院は県より救急告示病院に指定されており即時の入院にも対応可能なため、急性期・回復期・慢性期とそれぞれの病期に対応できる機能を有する「ケアミックス病院」として、利用者の方に対して切れ目のない医療を提供できるようになりました。

 

スタッフ集合写真(天草慈恵病院よりご提供)

高齢化と人口減少が進む天草地域では、急性期からはじまる一貫した医療を提供できるうえ、関連施設と共同で福祉・介護サービスを提供している存在は限られています。そのため、当院では地域の方を可能な限り受け入れ、各種サービス提供をつうじて、住み慣れた地域で自分らしく、いきいきと暮らす方のお手伝いをしています。

リハビリの目的は、加齢、病気やその治療のための入院などにより低下してしまった身体機能の回復と維持です。特に高齢の方では、身体機能低下が進行するスピードが早く廃用症候群などを起こしやすいため、身体機能維持とリハビリは自分らしい生活を送るうえで重要な意味を持っているといえるでしょう。

当院では、脳卒中などに代表される脳血管疾患急性期、整形外科疾患、神経疾患などの病気によるものから健康増進まで、患者さんの抱える悩みと目標に応じた治療計画を立てて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが連携してお手伝いをしています。

こうした一般的なリハビリのみでなく、地域密着リハビリテーションセンターが中心となって、運動療法の紹介、認知症への対応方法の指導や相談のほか、通所・訪問サービスなども行っています。

また発達小児科も開設しているため、心身の発達や行動面での障害や心配点があるお子さんを対象にした小児リハビリも行っています。このリハビリでは、理学療法士と一緒にお子さんの発達の遅れの原因を考え、体を動かす練習や日常生活上のアドバイスを行います。

住み慣れた自宅などで療養生活をしている患者さんやご家族にも対応できるよう、医師による訪問診療や往診、看護師による訪問看護・訪問リハビリによる、24時間体制の在宅療養支援を行っています。療養生活に対する不安や疑問などの相談も可能です。

在宅サービスでは可能な限りご自宅で療養できるよう手を尽くしますが、診察の結果さらなる治療が必要と判断すれば入院をおすすめすることもあります。

健康寿命を延ばすためには、病気にならないこと、そして病気の早期発見・早期治療が重要です。特に高血圧糖尿病などの生活習慣病がん発症には、日頃の生活習慣の積みかさねが影響することも多いです。

当院では、各種健康診断、市町村や全国健康保険協会(協会けんぽ)などが主催する住民健診、特殊健診のほか特定保健指導も行っています。また日帰りもしくは一泊二日での人間ドックも随時受け付けています。

1997年12月より、慢性腎臓病腎不全の方を対象に血液透析を行っています。外来でも入院でも対応可能で、天草地域の海を一望できる治療室でゆっくりと治療を受けることができます。

事前のご連絡をいただければ、普段は別の医療機関で血液透析を受けている方にも対応可能です。臨時透析をご希望される方は、当院にお問い合わせください。

 

敷地内にある本格中華レストラン・アマランスから見える景色(天草慈恵病院よりご提供)

天然温泉の効能を、健康保持や増進、治療、リハビリにも活用しています。院内にある邯鄲の湯は、外来および入院患者さんに開放しているアルカリ性単純泉で、心身ともにリフレッシュいただけます。

 

敷地内のプール(天草慈恵病院よりご提供)

水中では浮力が働くため体を軽く動かせるようになります。また水圧による血行促進や、抵抗力によって、無理のない全身運動が行いやすくなります。

こうした水中での特性と温泉を利用した温泉リハビリを導入しており、医師・理学療法士・トレーナーによるプール指導を行っています。

「医療が必要な要介護者の長期療養・生活施設」として、2018年4月より創設された介護保険施設である「介護医療院」を開設しました。地域医療構想や地域包括ケアシステムの有用な受け皿となることが期待されています。2療養病棟の1つを転換致しました。

 

地元の方が「日本の宝島」と誇る天草地域は温暖で空気も澄みきっていて、特に雲が徐々に晴れて海と山が織りなす美しい景色が眼の前いっぱいに現れたときは、今でも心からの感動を覚えることがあります。

天草の地に生きる皆さんの自分らしい生活を支えるため、「心のかよった包括的サービス」とは何なのか職員全員で考え取り組み続け、そして地域と共に歩む病院としてあり続けます。

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