院長インタビュー

すべての病院機能を集約した新病棟で、最新の医療を提供する立川病院

すべての病院機能を集約した新病棟で、最新の医療を提供する立川病院
片井 均 先生

立川病院 病院長/がんセンター長

片井 均 先生

目次
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立川病院は、東京都立川市に位置し、市立病院がない立川市で公的な病院の役割を担っています。救急医療や周産期医療、整形外科、精神科など、赤ちゃんから高齢者まで幅広い世代の医療ニーズに対応しているほか、特にがん診療に力を入れています。地域に根差し、幅広い世代を支える立川病院の取り組みや、目指す医療の形について、片井 均(かたい ひとし)先生に伺いました。

当院は、もともとは陸軍病院として設立され、戦後は共済組合の職員を診る職域病院として地域に根付いてまいりました。現在、当院がある立川は、飛行場跡地の開発なども進み、多摩地区の中心になりつつあります。23区よりも高齢化が進む一方で、郊外へ移り住む若い層の増加により若年層の人口も増加している地域でもあり、当院は市立病院がない立川市において半公的な役割を担っています。さらには昭島や東村山など市外の方も通っており、地域の皆さんの拠りどころとなる病院として、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年齢層の方々に、すべての科が質の高い医療を提供しています。また当院は二次救急(手術や入院が必要な重症な患者さんに対する救急医療)をおこなっており、年間の救急車受け入れ台数は約4,500台に上ります。

立川病院外観

当院は東京都がん診療連携拠点病院に指定されており、がんセンターにてがん治療の三本柱である手術、放射線療法、化学療法とその集学的治療を行っています。
手術では患者さんの身体に傷が残りにくく出血量が従来よりも少ない、低侵襲(体に負担が少ない)で精緻な手術が行える内視鏡手術支援ロボット“ダ・ビンチ”を泌尿器科、婦人科、呼吸器外科、消化器外科で導入しています。また、術者に高いスキルを問われる難易度の高いESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)によるがん治療も行っています。

放射線科では一般的なX線治療のほか、前立腺がんに対してはIRMT(「強度変調放射線治療」)を導入し、今までに比べ当たるべきところにより多く放射線を当て、逆に当ててはいけないところに極力当てない治療ができるようになりました。
化学療法は外来で受けていただけることができます。治療は日当たりのよい心地のよい部屋で行っており、患者さんから好評をいただいています。

当院では高齢者のがん患者が増える中、地域の特性に合わせて、全身的にがんを診られるよう取り組みながら、治療だけではなく、患者さんの心のケアにも配慮し、安心して治療を受けられる環境を整えています。

周産期医療も当院の強みの1つです。当院は東京都より周産期母子医療センターの指定を受けており、NICU(新生児集中治療室)を6床備え、通常の分娩はもちろんのこと、妊娠32週より後のハイリスクな分娩や低出生体重児の医療にも対応しています。また、妊娠や出産に伴う合併症がある場合は、総合病院である強みを生かして他の専門の診療科で診察を受けていただくことができます。

この地域で高齢化が進んでいること、ご高齢の方は転倒等のリスクが高くなってくることから、当院では外傷骨折等の二次救急の対応と整形外科での診療に力を入れています。とくに当院の強みは手、足、肩、腕、脊椎脊髄、骨腫瘍など、整形外科の全ての分野の専門医(日本整形外科学会認定)が揃っていることで、15名の医師と看護師をはじめとしたスタッフがチーム医療できめ細かく治療を行っています。

当院の精神科では、身体的な疾患も持っている身体合併症の患者さんの治療も行っています。例えば、近隣の精神科の患者さんで胃がん狭心症などを併発している場合、患者さんを当院で治療し、お帰ししています。このように精神科の診療を行いつつ身体疾患の治療も同時に行っているのは、多摩地区では当院だけとなっています。

当院では入院前の患者さんの負担を軽減するため、“患者支援センター”を設けて新たな取組を始めました。

従来の入院の手続きでは、患者さんが院内の複数の場所を回り、医師や看護師、薬剤師などに同じ内容を繰り返し回答する必要がありました。しかし当院の患者支援センターでは、患者さんが待っている個室にスタッフが次々に訪れ、入院前の検査や書類手続きをその場で完結できるようにしています。これによって手続きに要する時間や移動距離が大幅に短縮されたうえ、当院も集めるべき情報を漏らさなくなるなどさまざまなメリットがあり、他の病院から見学に来るほどに機能しています。また、患者支援センターは入院前の患者さんからの問い合わせや悩みのご相談窓口にもなっており、患者さんから高い評価をいただいています。

患者支援センター
患者支援センター(立川病院ご提供)
患者さん用の個室
患者さん用の個室(立川病院ご提供)

当院では女性専用病棟の設置や全室個室化された小児病棟など、患者さんの快適な入院生活を実現するための施策を数多く取り入れています。さらに、立川駅からのバスの停留所が当院入り口のロータリーにあり、雨の日にも濡れることなく院内に入ったり、バスを待つことができるようにもいたしました。また、カフェテリアやセブンイレブンも併設し、患者さんやそのご家族の利便性を高めるとともに、地域の方々にも利用してもらえるようにしています。

当院は“質の高い、思いやりのある医療の実践”を理念としています。また、その実現のために行う医療として「患者さん中心の医療」、「皆の協働で実践する医療」、「高い専門性と倫理観に基づく医療」を掲げており、スタッフは皆この方針のもと、日々全力で職務に当たっています。

地域の皆さんから信頼いただき、誇りとしていただけるような病院になれるよう、これからもご指導、ご助言をお願いします。

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  • 立川病院 病院長/がんセンター長

    片井 均 先生

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