ういるすせいはいえん

ウイルス性肺炎

最終更新日:
2023年06月14日
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2023/06/14
更新しました
2017/04/25
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概要

ウイルス性肺炎とは、インフルエンザウイルスやRSウイルスなどのウイルスに感染することで生じる肺炎のことです。近年流行する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)もウイルス性肺炎の原因となることがあります。

ウイルス性肺炎では、酸素と二酸化炭素のガス交換を行う“肺胞”という組織が障害され、発熱や咳を生じるほか、重症になると呼吸困難を伴うこともあります。

原因となるウイルスに有効な治療薬が存在する場合には、その薬を使用して治療が行われます。また、症状に応じて去痰薬や解熱薬などが使用されることもあります。

原因

ウイルス性肺炎の原因となるウイルスには、インフルエンザウイルスやコロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、サイトメガロウイルスなどが挙げられます。このほか、麻疹(ましん)ウイルスや水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルス感染の合併症として発症することもあります。

乳幼児のウイルス性肺炎ではRSウイルスによるものが多くみられるほか、アデノウイルスやヒトメタニューモウイルスに感染し発症することもあります。このほか、がんエイズなどの病気に罹患している人や、ステロイド薬による治療によって免疫低下状態にある人では、サイトメガロウイルスに感染し発症することもあります。

感染経路には、感染している人の咳やくしゃみに含まれるしぶき(飛沫)が鼻や口に付着することで感染する“飛沫感染”や、空気中に漂うウイルスを含む粒子(飛沫核)を吸い込むことで感染する“飛沫核感染(空気感染)”などがあります。

また、小児では、鼻や喉に付着したウイルスを吸い込んで発症することもあるほか、サイトメガロウイルスによる肺炎はもともと感染して体内に潜んでいたものが免疫力の低下をきっかけに発症することもあります。

症状

ウイルス性肺炎では、咳や発熱などの感染症状に始まり、呼吸とともに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音がする喘鳴(ぜんめい)を生じることがあります。また、全身倦怠感や筋肉痛頭痛などの全身症状をきたすこともあるほか、重症になると呼吸困難を表すこともあります。

小児では、咳や呼吸困難に加え、呼吸が早くなったり、息を吸う際に広がるはずの胸が引き込まれたりする特徴的な症状があり、そういった症状から診断されるケースもあります。

乳幼児が重症化した場合には、哺乳や飲食ができなくなったり意識障害やけいれんを生じたりするリスクもあります。

検査・診断

発熱や咳などの症状から肺炎が疑われる場合には、血液検査や胸部X線検査、尿検査などを行い、肺炎の所見の有無や重症度などを確認します。

さらに、原因となるウイルスを特定するため、症状や経過に応じて検査を行います。

インフルエンザウイルスやRSウイルス、アデノウイルスなどは、喉や鼻の奥を綿棒で擦り、採取した拭い液から抗原を検出する迅速検査で特定が可能です。また、痰に含まれる病原体を調べる“喀痰(かくたん)検査”、唾液からウイルスの持つ遺伝子を検出する“PCR検査”、発症初期と回復期の2回採血を行い抗体価が上がったことを確認する“ペア血清”などが行われることもあります。

治療

インフルエンザウイルスやサイトメガロウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスなどが原因となっている場合は、抗ウイルス薬を使用します。しかし、その他多くのウイルスに対しては、いまだ有効な抗ウイルス薬が確立されていないものも存在します。

このようなウイルスに感染している場合には、症状を和らげるための対症療法を中心に行います。痰が出ている場合には去痰薬を使用したり、熱を下げる目的で解熱薬を使用したりします。必要に応じて点滴を行うこともあります。

呼吸困難をきたしている場合には、酸素療法を行ったり人工呼吸器を使用したりすることもあります。高齢者やほかに基礎疾患がある人、重症であると診断された場合には、入院での治療が必要になるケースもあります。

予防

インフルエンザウイルス麻疹ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、コロナウイルスは、ワクチン接種による予防効果が期待できます。

主に乳幼児に感染するRSウイルスは、乳幼児だけでなく大人が感染していて気付かないうちにうつしてしまう恐れもあります。日常的に乳幼児と接触する機会のある人は、ウイルスの流行時期を問わず、咳などの症状がある場合にはなるべく乳幼児との接触を避けるかマスクをして接し、乳幼児が日常的に触れるおもちゃなどの消毒を行いましょう。

また、インフルエンザウイルスやコロナウイルスへの感染対策として、手洗いやうがい、人混みでのマスクの着用、感染が疑われる人との接触を避けることも重要です。

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