マイコプラズマが主に引き起こすのはマイコプラズマ肺炎です。ご自身でも分かるマイコプラズマ肺炎の典型的な症状のひとつは、乾いたしつこい咳です。では、病院ではマイコプラズマ肺炎を診断するために、どのような検査をしていくのでしょうか。マイコプラズマの検査と診断から治療の流れについて、川崎医科大学小児科学教授の尾内一信先生にお話をお伺いしました。
マイコプラズマ肺炎を疑った際にまず行う検査は、胸部レントゲン撮影です。乾いたしつこい咳などの症状があるうえに、胸部レントゲンで異常が見つかった場合には、必要に応じて健康保険が適用されるマイコプラズマの検査(①迅速診断法 ②核酸増幅法 ③血清抗体価測定)を行って、マイコプラズマ肺炎を特定していきます。
迅速診断法は、喉の奥をこすって菌がいるかどうかを調べる検査です。喉の奥をこすった後、20分ほどで結果が出ます。すぐに結果が出る非常に簡便な検査です。
核酸増幅法も、喉の奥をこするか、または痰を調べる検査です。これは結果が出るまでに少し日数がかかるため、すぐに治療に入るときには少し不便です。
一般的な検査としては、上記の迅速診断法に加え、血液検査でマイコプラズマの血清抗体価を測定し、それを組み合わせることによって診断する方法があります。
細菌感染などが生じた場合、血液検査を行うと白血球数の上昇がみられます。一方で、マイコプラズマ肺炎の場合は白血球が正常あるいは低下することが特徴的です。
次に、治療の流れについて説明します。検査により診断を確定してから治療、という流れになることもありますが、症状や胸部レントゲン検査の結果からマイコプラズマ肺炎が疑われる場合は、診断が確定する前に治療を開始することがほとんどです。
治療に使用される抗菌薬は、マクロライド系のエリスロマイシンなどが主になります。抗菌薬を10~14日間内服し、効果がではじめると徐々に熱が下がり、咳などの症状も軽減して回復が早まります。
ただし、熱や咳などの症状が強い場合は、解熱剤や鎮咳薬を処方することもあります。マイコプラズマは、抗菌薬ですぐには死滅せず、数週間にわたって体内に生息します。他の人に感染することもあり、咳エチケットなど生活には留意する必要があります。
治療についての詳細は、「マイコプラズマ肺炎の治療について」をご参照ください。
川崎医科大学 名誉教授、川崎医療福祉大学 医療福祉学部 子ども医療福祉学科 特任教授
関連の医療相談が12件あります
熱がないのに咳が続く
白血球が高く14400あります。何の病気の可能性がありますか?
マイコプラズマ肺炎と風邪の見分け方
2歳3か月の息子が、マイコプラズマ肺炎のため、入院しました。 1週間ぐらい前から夜中に37度台後半から38台の熱が出ていましたが、朝になるといったんさがり機嫌もよかったので病院へは行きませんでした。数日後より咳き込むようになり、心配だったのでかかりつけの小児科へ行き、診察のみで風邪と言われ、抗生剤と咳止め薬3日分を出してもらいました。その後も熱は上がったり下がったりでした。高い時は39度2分ぐらいでした。 薬がなくなったこともあり、再度、小児科へ行きレントゲン検査の結果、マイコプラズマ肺炎かもということで紹介された総合病院へ。血液検査の結果、マイコプラズマ肺炎と診断され抗生物質の点滴をしてもらい、熱も高いので入院することになりました。 マイコプラズマとわかるまで時間がかかり、息子はつらい思いをさせてしまいました。今後また同じように熱が出たとき、風邪とマイコプラズマはどうやって見分けたらいいのでしょうか?熱がでたとき、毎回血液検査やレントゲン検査をしないとわからないのでしょうか?
咳が続きます
2か月前にマイコプラズマ肺炎になりました。 もう治ったと言われているのに、咳だけがずっと続いてまだなおりません。熱は最初の数日出ただけで、そのあとは出ていません。1週間くらい抗生剤の点滴をしに病院に通いました。 本当はまだ治ってないんじゃないでしょうか?何か他の病気は考えられますか?
コロナウィルスと喘息についての質問です。
私は13歳まで小児喘息を患ってました。 今はすっかり治っていますが、低酸素状態になってしまい入院したこともあります。 喘息の再発は少ないとは知っていますが、もしコロナウィルスに感染したら症状が悪化する可能性はあるのか心配です。 マイコプラズマ肺炎と胃腸炎にかかったことがあります。 現在、季節性、通年性アレルギー性鼻炎で服薬中です。 現在は週に1度散歩をしていますがそれ以外の外出はしていません。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「マイコプラズマ肺炎」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。