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肺

マイコプラズマ肺炎

目次

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という病原体によって引き起こされる肺炎を指します。マイコプラズマは、生物学的には細菌に分類されますが、他の細菌と異なり細胞壁を持たない点が特徴的です。細胞壁がないと言う点は、治療の観点からとても大切なことであり、抗生物質の選択にも関与してきます。 マイコプラズマ肺炎は一年を通してみられますが、特に秋から春にかけて報告数が多くなります。罹患年齢は幼児期、学童期、青年期が中心であり、7~8歳にピークがあります。2011年と2012年の流行に注目して見ると、抗生物質に対して効きが悪いマイコプラズマ(マクロライド耐性肺炎マイコプラズマと呼ばれます)が多く検出されました。その結果治療に難渋し、マイコプラズマ肺炎を発症した症例が多く報告されています。直近で見ると2016年にもマイコプラズマの流行は認めており、今後も耐性化に伴う治療に困難を伴うことがないか、動向が注目されています。

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原因

マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマに感染することで引き起こされます。マイコプラズマの代表的な感染経路は「飛沫感染」です。マイコプラズマは、感染している人の唾液中や咳の中に含まれています。唾液や咳を通して人から人へとうつっていく感染の仕方を「飛沫感染」と言います。その他、唾液の中に存在するマイコプラズマは、ドアノブや箸等に付着してもしばらく生存しています。そのため、マイコプラズマに汚染された物質(ドアノブ等)に直接触れ、それを口から摂取する「接触感染」を起こすこともあります。人から人へのうつり方としては、ある「集団」ごとにうつっていくという特徴があります。 マイコプラズマが呼吸器に侵入すると、気道の粘膜を破壊します。マイコプラズマは、気道の中でも特に気管支や細気管支などにダメージを与えることが知られています。粘膜の剥離や潰瘍が起こることも珍しくなく、結果として肺炎に至るようになります。さらに、マイコプラズマは、一般的な風邪ウイルス(例えばライノウイルス)と比較して下気道に感染していく傾向があります。そのため、マイコプラズマ感染では、肺炎を引き起こしやすくなります。

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症状

マイコプラズマ肺炎の潜伏期は、通常2~3週間です。初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛等から始まりますが、特徴的なマイコプラズマ肺炎の症状は、痰の絡まない、乾いた頑固な咳です。咳は初発症状出現後3~5日から始まることが多く、解熱した後も数週間持続します。マイコプラズマは、普通の細菌と比べるとゆっくりと、何となく症状が進行する傾向があります。発熱様式も、いつから38℃以上になったのかが判りにくいこともあり、これはインフルエンザで突然発症するのと対照的です。また咳についても、頑固な咳ではあるのですが、初期の段階から呼吸困難を伴うことは稀です。 また、マイコプラズマ肺炎は、自身の免疫力によって引き起こされるという特徴があり、免疫力が強い人のほうが症状はひどくなります。そのため、免疫機構が弱い乳幼児の場合は肺炎になりません。 他にマイコプラズマに感染した合併症としては、中耳炎、無菌性髄膜炎、膵炎、溶血性貧血、関節炎、ギラン・バレー症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など多彩なものが含まれます。特に後者二つについては、それぞれ手足の麻痺が生じたり、皮膚や粘膜にやけどのような皮疹が出現したりすることが特徴です。

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検査・診断

マイコプラズマ肺炎を疑った際にまず行う検査は、胸部レントゲン撮影です。マイコプラズマ肺炎は、身体所見からは肺炎を思わせる異常が見つからないことも多々ありますが、レントゲン写真では想像以上の肺炎像を見ることがあります。身体診察からの印象とレントゲン写真のギャップに加えて、乾いたしつこい咳といったマイコプラズマ肺炎らしい症状がある場合には、マイコプラズマ肺炎が強く疑われます。 マイコプラズマ肺炎が疑われた際には、より一層マイコプラズマは胃炎の診断に特化した検査が行われますが、これらには①迅速診断法 ②核酸増幅法 ③血清抗体価測定があります。この中でも迅速診断法は、咽頭拭い液を用いて数十分で検査結果がでますので、当座の治療方針を決めるのには非常に簡便で有用な検査です。 マイコプラズマをより確実に診断するためには、その他の検査も行われます。

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治療

マイコプラズマ肺炎の治療に使用される抗菌薬は、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤が用いられます。ペニシリン系やセフェム系の抗生物質が効果を発揮するためには、病原体が細胞壁を持っていることが必要なため、細胞壁を持たないマイコプラズマには使用されません。マイコプラズマ肺炎の治療においてはマクロライド系のエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどが第一選択とされることが多いです。しかし冒頭でも述べたようにこれら薬剤に対して耐性を示す可能性もあり、その場合にはテトラサイクリン系やニューキノロン系の抗生物質が使用されます。しかし、これらの薬剤は小児期に使用すると、それぞれ特有の副作用が出現することも懸念されることから、より慎重な使用が求められます。 マイコプラズマ肺炎に感染した後は、症状が完治した後も数週間にわたって体内に生息します。他の人に感染することもあり、咳エチケットなど生活には留意する必要があります。

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