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マイコプラズマ肺炎の治療について
マイコプラズマが引き起こす感染症で最も多いのは、マイコプラズマ肺炎です。マイコプラズマ肺炎の治療は、ほとんどの場合抗菌薬を使って行われ、その中でも特にマクロライド系と言われる抗菌薬が有効とされて...
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マイコプラズマ肺炎の治療について

公開日 2015 年 11 月 10 日 | 更新日 2017 年 09 月 22 日

マイコプラズマ肺炎の治療について
尾内 一信 先生

川崎医科大学医学部小児科科学主任教授  川崎医科大学小児医療センター小児科部長

尾内 一信 先生

マイコプラズマが引き起こす感染症で最も多いのは、マイコプラズマ肺炎です。マイコプラズマ肺炎の治療は、ほとんどの場合抗菌薬を使って行われ、その中でも特にマクロライド系と言われる抗菌薬が有効とされています。しかしながら、近年、マクロライド系抗菌薬では対処できないタイプのマイコプラズマが増えてきていると言われています。マイコプラズマ肺炎の治療の注意点について、川崎医科大学小児科学教授の尾内一信先生にうかがいました。

マイコプラズマ肺炎の治療―抗菌薬が高い効果を発揮する

マイコプラズマ肺炎は細菌感染なので、抗菌薬が高い効き目を発揮します。そのため、早く症状を落ち着かせるためには抗生物質を使います。特に「マクロライド系抗菌薬」は効果があります。しかし、一方で2000年頃からマクロライド耐性のマイコプラズマが徐々に増えてきていおり、最近は、抗菌薬で死なないマイコプラズマ(耐性菌)が発生して問題となっています。1999 年以前には、マクロライド系抗菌薬で死なないマイコプラズマ(耐性株)はいないとされていましたが、2000 年以降に検出された30%以上のマイコプラズマはマクロライド耐性株と判定されています。

そのため、今はマクロライド系を使ってもなかなか効果がないということもあり得ます。そのようなときには効果のある薬に切り替えないといけません。

「マクロライド耐性マイコプラズマ感染症」では、ニューキノロン系の抗菌薬とかテトラサイクリン系の抗菌薬を使うことがあります。しかし、テトラサイクリン系の抗菌薬は、年齢が低い方に使ってしまうと歯の着色などの副作用が出たり、骨の形成に影響が出ることがあります。そのため、8歳未満ではニューキノロン系の抗菌薬を使って治療していきます。

大人ならば、歯の着色などの副作用はほとんど顕在化しません。そのため、マクロライドを投与して熱が下がらなければテトラサイクリンやニューキノロンを使っていきます。

マイコプラズマ肺炎の診断後は外来治療が主となる

多くの細菌性肺炎の場合、入院して治療することも多いでしょう。けれども、「ウォーキングニューモニア」であるマイコプラズマ肺炎の患者さんは「外来で可能なくらいの体力がある」方が多く、ほとんどの場合は家で経過をみながら治療をすることが可能です。前述のように抗菌薬がよく効きますので、家で薬を最後まで飲み続けて途中でやめないことが大切です。最後まで飲んだあとには症状がよくなったかを確認するため外来を受診してもらい、もし症状が改善しなければ違う抗菌薬を内服してもらうこともあります。

マイコプラズマ肺炎の治療、家での注意事項

一番の注意事項は、「抗菌薬を最後まで飲んでください」ということです。また、水分もしっかりと摂ってもらう必要があります。脱水状態になると痰が粘りやすくなるため出しづらくなります。もし症状がひどく悪化するようなことがあれば病院の受診を指示します。出席停止期間については定められていませんが、有効な抗菌薬を服用して症状が改善してくる概ね5日くらいと説明しています。

出席停止期間の詳細については、「マイコプラズマ肺炎の出席停止期間は?―予後・予防接種・流行についての知識」をご参照ください。

 

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大人のマイコプラズマ肺炎の治療薬、小児とはどう違う?

マイコプラズマ肺炎の症状は、1990年代頃までは「マクロライド系抗菌薬」を使用することで素早く抑えることができていました。しかし、2000年頃からマクロライド耐性菌(マクロライド系抗菌薬が効かないマイコプラズマ菌)が増加したことにより、原因菌を見極め、治療薬を選択する必要が生じるようになりました。

この記事の目次

  1. 大人には「ニューキノロン系」の薬が使える
  2. なぜニューキノロン系抗菌薬を第一選択薬にしないのか?-結核を見逃すリスク
  3. 大人のマイコプラズマ肺炎、60代頃までは注意が必要

山口大学医学部卒業後、米国オクラホマ州立大学医学部小児感染症科、国立呉病院母子医療センター等を経て、1998年より現職。感染症、アレルギー疾患を主体に診療を重ねながら、後進の指導にも力を注いでいる。

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