まいこぷらずまかんせんしょう

マイコプラズマ感染症

最終更新日:
2024年12月19日
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2024/12/19
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概要

マイコプラズマ感染症とは、マイコプラズマという細菌に感染することで引き起こされる感染症です。マイコプラズマは肺にダメージを引き起こして、咳や息苦しさなどの呼吸器症状をもたらすほか、発熱や頭痛、皮疹、中耳炎肝炎、関節の痛みなど多様な症状を引き起こします。

マイコプラズマは飛沫感染や接触感染によって感染が広がります。症状の現れ方は患者によって大きく異なり、軽度な症状のみで患者本人も気付かない場合もあれば、入院して治療が必要となる場合もあります。

原因

マイコプラズマ感染症は、原因菌を含んだ飛沫を吸い込んだり細菌が付着したものに触れたりすることによって感染します。感染には濃厚接触が必要であるといわれており、家庭や保育園、学校などで感染するケースが多くみられます。

このほか、性行為によって尿道や性器に感染するケースもあります。

症状

マイコプラズマ感染症では多くの場合、気管や肺などに感染して呼吸器症状を引き起こします。

潜伏期間は2~3週間ほどで、発熱、倦怠感、頭痛といったかぜのような症状が現れます。咳は症状が現れて3~5日ほど経過してから現れて徐々に悪化し、ほかの症状が改善した後も3~4週間ほど続きます。

マイコプラズマ感染症は合併症を引き起こす場合も多く、胸の痛み、皮疹、喘鳴(ぜんめい)(ゼイゼイする呼吸)などがみられます。さらに、中耳炎髄膜炎(ずいまくえん)肝炎膵炎心筋炎関節炎ギラン・バレー症候群などを引き起こすケースがあることも報告されています。

なお、マイコプラズマが尿路や性器などに感染すると、尿道炎による排尿時の痛みや尿道からのの流出などの症状がみられます。女性の場合はおりものの異常が現れる可能性があるほか、重症な場合は骨盤腹膜炎などに進行することもあるため注意が必要です。

検査・診断

マイコプラズマ感染症が疑われるときは血液検査で抗体を確認するほか、場合によっては以下のような検査を行います。

画像検査

マイコプラズマ感染症では肺炎などの呼吸器症状が引き起こされやすいため、症状や必要性に応じてX線やCTによる画像検査を行います。また、合併症が疑われる場合には、想定される合併症に合わせた画像検査も必要となります。

培養検査、PCR検査

痰やのどの分泌液、尿道からの分泌液などを採取して培養し、マイコプラズマやマイコプラズマの遺伝子が含まれているかを調べる検査を行うことがあります。

治療

マイコプラズマ感染症の多くは自然に軽快しますが、重症化した場合はマクロライド系抗菌薬を用いた薬物療法を行います。マクロライド系抗菌薬の効果が少ない場合は、症状の変化や年齢などを慎重に見極めながら、テトラサイクリン系などほかの抗菌薬に変更します。

また、マイコプラズマは肺炎を引き起こして呼吸状態が悪化する場合もあります。そのようなケースでは入院して点滴や酸素吸入などが行われます。

予防

マイコプラズマには有効なワクチンはありません(2024年2月時点)。そのため、流行しやすい冬は手洗いや消毒などの一般的な感染対策を行い、感染者との接触をできる限り控えることが大切です。

また、周囲に感染を広げてしまう可能性があるため、咳が長引く場合などはできるだけ早めに医療機関を受診しましょう。

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