症状
症状は主に、腫瘍が周囲の神経などを圧迫することによって起こるものとホルモンの分泌異常によるものに分けられます。
周辺組織への圧迫によって起こる症状
下垂体の周囲にはものを見るための神経や目の動きに関わる神経があり、腫瘍がこれらの神経を圧迫すると視野が欠けたり、ものが二重に見えたりするなどの視覚障害を引き起こします。視野が欠ける症状は外側が見えなくなることが多く、この症状は両耳側半盲と呼ばれます。また、圧迫が起こっている場所によっては、頭痛やてんかんなどの症状が現れることもあります。
下垂体ホルモンの過剰産生によって起こる症状
下垂体神経内分泌腫瘍の中にはホルモンを過剰産生するものがあり、それに伴ってさまざまな症状が現れます。たとえば、成長ホルモンの過剰産生による先端巨大症や巨人症の発症、副腎皮質刺激ホルモンの過剰産生によるクッシング病の発症など、過剰産生されるホルモンの種類によって多彩な症状が現れます。プロラクチンという乳汁分泌や乳腺の発達などを促すホルモンを過剰産生するものもあり、その場合は月経不順や不妊、性別や妊娠の有無に関係なく乳汁が分泌されるなどの症状が現れます。
下垂体ホルモンの産生低下によって起こる症状
腫瘍の影響により下垂体ホルモンの分泌が低下することもあります。この場合も分泌が低下するホルモンの種類によって症状が異なり、成長ホルモンの低下では疲労感や体脂肪の増加など、副腎皮質刺激ホルモンの低下では倦怠感、食欲や体重の減少など、甲状腺刺激ホルモンの低下ではむくみ、体重増加などが現れます。また、下垂体後葉まで影響が及んだ場合は尿量が異常に増加する尿崩症を発症する可能性もあります。
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