かんせん

乾癬

最終更新日:
2021年03月12日
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2021/03/12
更新しました
2017/04/25
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治療

乾癬治療の選択肢(画像提供:大槻マミ太郎先生)

一般的には、活性型ビタミンD3やステロイドの外用薬(塗り薬)が使用されます。一般に病変が広範囲で重症の場合には、外用薬では効果不十分なので、免疫抑制薬をはじめとする内服治療が行われます。ステロイドはその外用薬が広く使用されますが、内服薬(飲み薬)としては使い方によって膿疱性乾癬を誘発することがあるので、推奨されていません。

また、外用や内服治療のほかに、光線療法(紫外線治療)が行われることもあります。あたかもレーザー治療のように局所的に照射する方法と、全身に照射する方法があり、後者の場合は内服療法と同様、全身治療ということになります。

近年では重症例に対して積極的に生物学的製剤が用いられるようになり、注射療法の時代ともなりましたが、新たな内服薬も次々に開発されており、全身治療の選択肢がどんどん増えている状況です。また、透析センターのような設備を利用することになりますが、顆粒球除去療法という、乾癬を悪化させる白血球の一部を吸着物質の中を通すことで血液中から除去する治療も、膿疱性乾癬乾癬性関節炎に承認されています。

外用療法・内服療法

乾癬の初期治療は外用が基本であり、まず外用薬から開始します。ステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬が二本柱となっています。両者が1剤の中に組み合わされた配合外用薬というのも発売されており、便利な選択肢といえます。

外用薬が使いにくい場合、外用薬を使っても効果が乏しい場合、とくに皮疹が全身に広がるような重症の場合は内服治療の適応となり、内服薬としてはビタミンA誘導体、シクロスポリンやメトトレキサートなどの免疫抑制薬、PDE(phosphodiesterase)阻害薬などがあります。

他の内服薬として、かゆみに対しては抗ヒスタミン薬、乾癬性関節炎の痛みには消炎鎮痛薬なども用いられます。

紫外線療法

紫外線療法の線源としては、長波長のUVAと短波長のUVBがあります。311 nm付近の紫外線(ナローバンドUVB*)が乾癬にとくに有効で、治療時間も短く簡便なので、頻繁に用いられています。

また、下腿など難治の部位には、ターゲット型のエキシマライトなどによる局所照射を集中的に行うことで、全身への総照射量を抑えつつ、外用治療に抵抗する部位の乾癬を改善させることが可能です。

*ナローバンドUVB:波長が311 nm付近の極めて狭い範囲の紫外線

注射療法(生物学的製剤)

重症の乾癬、そして生活に支障をきたすような乾癬性関節炎を合併する場合は、生物学的製剤を使用することを検討します。生物学的製剤の治療効果はとても高く、ほとんどの患者さんにおいて効果を期待することができます。最初に承認された薬剤は、重症感染症をはじめとして、頻度は少ないながらも重篤な副作用の懸念がありましたが、最近承認されている薬剤は安全性の高いものが多く、進化してきました。ただ、コストは他の治療よりずっと高いので、年収によって区分されている高額療養費制度、加入している保険組合による付加給付、その他各種の医療費助成などをうまく利用して、患者負担を最小限に抑えつつ最大の効果を引き出すことを目指すべきでしょう。

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