かんせん

乾癬

最終更新日:
2021年03月12日
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2021/03/12
更新しました
2017/04/25
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症状

乾癬は大きく分けて5つに分類され、それぞれの症状は以下のとおりです。

尋常性乾癬(局面型乾癬)

頭部(髪の毛の生え際も含む)に最初に症状が出ることが多く、他に肘や膝、背部から腰臀部、下腿などの物理的な刺激を受けやすい部位にできやすいという特徴があります。中には、陰部、鼠径部(そけいぶ)や腋窩(えきか)などの間擦部、手掌や足底など体の一部だけにできる場合もあります。

最初は小さな赤いブツブツ(丘疹)や斑(紅斑)から始まりますが、徐々に隆起してごわごわと硬くなり(角化)、表面にふけ状のもの(鱗屑)が付着し、ポロポロと剥がれ落ちる(落屑)ようになります。個々の発疹(ほっしん)が融合して広がって地図状(局面)を呈することもあり、大きな局面になると銀白色のかさぶた状ともなりますが、無理に剥がそうとしても取れず、出血したりします。また、爪に変化が生じることも多く(爪乾癬)、症状は剥離、混濁、変形などさまざまです。

かゆみは、悪化時に伴うことが多いですが、症状が固定されてしまうとまったくない場合もあります。かゆくて掻いたり、また擦れたりけがをしたりしたところに広がりやすい、という特徴もあります(ケブネル現象)。

尋常性乾癬 典型局面(画像提供:大槻マミ太郎先生)
 
尋常性乾癬 後頭髪際〜頚部(画像提供:大槻マミ太郎先生)
尋常性乾癬 胸腹部(画像提供:大槻マミ太郎先生)

乾癬性関節炎

皮膚症状に加えて関節症状を伴うものです。関節リウマチのように、手指に関節炎として初発することが多いですが、脊椎を含め全身のどの関節にも生じる可能性があります。症状はこわばりや腫脹(しゅちょう)、疼痛などさまざまですが、進行すると不可逆的な変形をきたしてしまいます。ただ、乾癬の場合は関節リウマチとは異なり、関節そのものというより腱や靱帯などの付着部の炎症から始まることが分かっています。

中には、皮膚症状が頭部や陰部などの隠れた部位に限局し、訴えがほとんど関節症状のみという場合もあるので、注意が必要です。乾癬性関節炎の診断とその関節の評価にあたっては、リウマチ科や整形外科など他科との連携が極めて重要です。

乾癬性関節炎手指の末梢関節と爪(画像提供:大槻マミ太郎先生)

膿疱性乾癬

尋常性乾癬の発症後に続発することもありますが、乾癬の既往がなくても突然膿疱で発症することもあります。

限局する場合もありますが、(うみ)を含んだ小さなブツブツ(膿疱)が全身に多発すると、高熱や全身倦怠感が生じます。紅皮症を伴って全身管理が必要になる例もあり、その場合は入院加療が必要です。なお、全身にできるタイプ(汎発性膿疱性乾癬)は国の難病に指定されています。

乾癬性紅皮症

全身に紅斑が広がり、皮膚全体が真っ赤になって痛々しい状態となり、多量の鱗屑が剥がれ落ちます(落屑)。多くは尋常性乾癬に続発しますが、膿疱性乾癬と並んで乾癬の重症の亜型であり、発熱や悪寒、倦怠感などを伴うことも多く、入院が望ましい状態です。

滴状乾癬

比較的若年者に多く見られ、扁桃炎などの溶連菌感染などがきっかけとなって生じるタイプです。小型のブツブツ(丘疹)が全身にできますが、あまり融合せず、多くの場合は急性の経過をたどって治癒します。しかし、再発を繰り返すうちに融合して局面を形成し、局面型(尋常性)乾癬に移行することもあります。

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