こうひしょう

紅皮症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

紅皮症とは、皮膚の赤み(紅斑)が全身に広がった状態を指します。さらに、皮膚のかゆみ、毛や爪の異常、発熱、悪寒、全身倦怠感、リンパ節の腫れを伴うことがあります。紅皮症とは、ひとつの病気ではありません。原因となる他の病気が存在し、それが進行・拡大したために、全身へ広がったものです。

紅皮症の原因は慢性湿疹アトピー性皮膚炎に対する不適切な治療によるもの(湿疹性紅皮症)が最も多いです。それ以外にも、乾癬などの皮膚疾患、ウイルス感染症、細菌感染症、自己免疫性水疱症膠原病、悪性腫瘍などさまざまな病気や薬剤が原因となって紅皮症は現れます。

診断では、背景となる病気の有無を詳細な問診・診察と血液検査、病理組織検査などによって調べます。原因となる病気に対して治療を行うことが重要ですが、湿疹続発性紅皮症の場合の治療は、副腎皮質ステロイドの外用、抗アレルギー薬の内服です。

原因

紅皮症はひとつの病気の名前ではなく、他に原因となる病気が存在し、それが進行・拡大して全身へ広がった状態を指します。原因となる病気のなかでも最も頻度が高いものは、慢性湿疹アトピー性皮膚炎が不適切な治療によって悪化し、全身に広がったもの(湿疹続発性紅皮症)です。これが、紅皮症の半数程度を占めます。

また、約10%は薬剤の副作用として紅皮症が起こる薬剤性紅皮症です。それ以外にも下に挙げたような乾癬などの炎症性皮膚疾患、ウイルス感染症、細菌感染症、自己免疫性水疱症膠原病、悪性腫瘍などの病気や薬剤が紅皮症の原因となります。

症状

比較的急速に皮膚の赤み(紅斑)が広い範囲に拡大し、全身に現れます。さらに、発熱、寒気、脱水、頻脈、全身倦怠感、リンパ節の腫れを伴うこともあります。

原因となる病気に特徴的な皮膚症状がみられることもありますが、明らかでないことも多いです。激しい皮膚の痒みを伴い、手のひらや足の裏の皮膚が厚くなったり(皮膚肥厚)、ひびわれ亀裂)がみられることもあります。症状が長引くと髪の毛や体の毛が抜けたり、爪が変形したり、皮膚の光沢や色素沈着が増してくることもあります。皮膚から細菌が侵入し、細菌感染をきたすこともあります。

検査・診断

感染症状の有無、既往歴、皮膚症状以外の症状、使用している薬剤などを詳細に問診した上で、原因となる病気を診断するために血液検査、皮膚の病理組織検査などを行います。

血液検査

紅皮症では、白血球数の増加、好酸球の増加、LDH上昇、CRP上昇などの炎症反応が多くみられます。脱水に伴って電解質異常が現れることもあります。さらに、高IgE血症がみられることもあります。白血病悪性リンパ腫などの悪性腫瘍の診断にも有用です。

病理組織検査

皮膚の病理組織検査において、紅皮症で共通してみられる検査所見に、不完全な角化(錯角化)、表皮肥厚、好酸球とリンパ球の真皮への浸潤があります。 自己免疫性水疱症なら蛍光抗体法による検査が診断に有効です。悪性リンパ腫が疑われる場合はリンパ節を生検し、病理組織検査を行うことが重要になります。

細菌学的検査

細菌感染による紅皮症が疑われる場合は、細菌を同定するためのグラム染色、培養検査を行います。

治療

紅皮症の改善では、原因となる病気の治療が重要です。薬剤が疑われる場合は該当する薬剤を速やかに中止し、副腎皮質ステロイドの全身投与を行います。湿疹性紅皮症の場合は、副腎皮質ステロイドの外用や抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服が有効です。

重症例では副腎皮質ステロイドの内服も行われます。乾癬性紅皮症に対してはシクロスポリンの内服、TNFα阻害薬(インフリキシマブ、アダリムマブ)、IL-12/23阻害薬(ウステキヌマブ)、IL-17阻害薬(セクキヌマブ、イキセキズマブ、ブロダルマブ)などの生物学的製剤の投与が有効です。

白血病やリンパ腫などの悪性腫瘍には化学療法を行います。細菌感染症に対しては抗菌薬の全身投与、真菌感染症に対しては抗真菌薬の投与を行います。脱水や低蛋白血症を伴う場合は点滴などによる治療が必要です。

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