概要
二次性心筋症とは、他の疾患や、アルコールなどが原因で起こる心筋症のことを指します。「続発性心筋症」と呼称されることもあります。
発症すると、心筋細胞に異常を来たし、心臓の機能が衰えることから息切れや動悸などの症状が現れます。
二次性心筋症を発症した場合は、心不全症状に対する治療を行いつつ、原因疾患に対しての治療を行います。
原因はさまざまであり、重症度も個々人によって大きく異なります。
原因
二次性心筋症の原因は、以下のようにさまざまなものが挙げられます。
など
症状
進行すると、心不全症状として息切れや疲れやすさ、咳や痰、浮腫(むくみ)などの症状が現れます。
横になることで症状が誘発されやすくなることから、夜間就寝中に症状が現れやすいです。また、横になるよりは座っているほうが楽に感じることから、座って時間を過ごすことが多くなる場合もあります。
そのほかにも、原因疾患に関連した症状がみられることがあります。たとえば、甲状腺機能低下症に起因するものであれば、便秘や低体温、皮膚の乾燥などの症状が現れることがあります。
検査・診断
二次性心筋症では、心臓の機能を評価するために以下のような検査を行ないます。
- 胸部単純レントゲン写真(心不全を起こすことから心臓が大きくなり、肺に過剰な水が貯留していることが確認できます。)
- 心臓超音波検査(心臓の動きをタイムリーに評価できる方法です。)
- 心電図
- 血液検査
など
より詳細に心臓の機能を評価するために、心臓MRIと呼ばれる画像検査が行われることもあります。
さらに、原因疾患を特定するための検査も行われます。血液検査によるHbA1cや、甲状腺機能の評価、自己抗体の評価などが行われます。
また、心臓カテーテル検査や、心筋生検といった検査が行われる場合もあります。
治療
二次性心筋症では、まず原因疾患に対しての治療介入を行うことが重要です。糖尿病であれば血糖コントロールを目的とした食事療法や運動療法、インスリンをはじめとした血糖降下剤の利用などが検討されます。
甲状腺機能低下症であれば甲状腺ホルモンの補充療法が、自己免疫疾患であればステロイドや免疫抑制剤の使用などが適宜検討されます。
また、二次性心筋症では心不全が生じることが懸念されるため、心不全に対しての治療介入も重要です。
具体的には、運動療法や体重コントロール、塩分や水分の制限に加えて、アンジオテンシン酵素阻害薬やカルシウム拮抗薬、β遮断薬などの治療薬の使用なども検討します。そのほかにも、植込み型除細動器や心臓移植などの治療も検討されます。
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