症状
先天性ミオパチーは、全身の筋力低下が起こる病気です。その結果、以下のようなさまざまな症状を引き起こします。これらの症状は病型によって異なり、重症度にも個人差があります。
筋力低下と筋緊張低下
筋力低下と筋緊張低下は先天性ミオパチーに共通してみられる主な症状です。新生児期や乳幼児期から、筋力の弱さと体の軟らかさが特徴的にみられます。全身を支える筋力が弱いため、首のすわり、お座り、歩行開始などの運動発達が遅れることがあります。歩行開始後も、転びやすい、階段の上り下りに苦労する、走れない、ジャンプができない、疲れやすいといった症状がみられます。大人になってから症状が明らかになる成人型もあります。
呼吸障害
呼吸に必要な筋肉の弱さから、呼吸不全を引き起こすことがあります。特に夜間に症状が悪化し、睡眠の質が低下したり、息苦しさを感じたりすることがあります。重症例では人工呼吸器が必要になる場合もあります。
心臓の病気
心臓を動かす筋肉の機能低下により心臓の収縮力が弱まり、循環器系に影響を及ぼして心筋症や不整脈などの病気を発症することがあります。
関節拘縮と側弯症
筋力低下により、関節の拘縮が起こり、手足など影響を受けた部位の動きが制限されます。また、脊柱(背骨)を支える筋力が弱いために脊柱が変形して曲がる側弯症を発症し、姿勢の維持が困難になることがあります。
顔面筋の影響
顔面筋の筋力低下により、表情が乏しくなることがあります。また、高口蓋(上顎の内側が通常より窪む状態)や眼瞼下垂(まぶたが下がる)といった症状もみられることがあります。
哺乳障害や摂食障害
口や喉の筋肉の弱さにより、哺乳障害や摂食障害が生じることがあります。新生児期では、母乳やミルクを十分に飲むことができず、体重低下につながる可能性があります。成長後も、食べ物を噛んだり飲み込んだりする力が弱いため、むせやすくなったり、食事に時間がかかったりすることがあります。これらの問題により十分な栄養摂取が困難な場合には、経管栄養などの特別な栄養管理が必要になる場合があります。
知的障害やてんかん
一部の病型では、知的障害やてんかんを伴うことがあります。
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