症状
原発性胆汁性胆管炎では、無症状で経過する“無症候性”と、症状を有する“症候性”があり、無症候性から症候性に移行することもあります。移行する割合は10~40%程度(5年間で25%ほど)とされ、一生無症状のままという場合も少なくありません。
症候性でもっとも多くみられる初期症状は、全身の強いかゆみです。これは胆汁に含まれるビリルビンという成分が血液中に逆流し、皮膚の末梢神経を刺激するために起こると考えられます。また、疲労感や体のだるさが現れることもあります。
進行とともに肝臓のはたらきが低下すると、黄疸、むくみ、腹水、肝性脳症などの肝不全症状がみられるようになります。このような状態まで進行すると、救命には肝移植を必要とする場合が一般的です。
また、口の中や目が乾燥したり、食道・胃静脈瘤、骨粗しょう症、骨病変(骨塩減少など)、脂質異常症を合併したりすることが多くあります。ほかにも、しばしば合併する自己免疫疾患(シェーグレン症候群・関節リウマチ・自己免疫性甲状腺炎など)の症状が目立つ場合もあります。一部では、肝臓にがんが発生することもあります。
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原発性胆汁性胆管炎について
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